環境問題読本⑦~現代社会・地学・生物・化学の4教科にまたがり、国語・英語でも取り上げられる学際的テーマ、それが「環境問題」です。
記事
学び
7、環境経営(green management)
(1)環境税(environmental tax)
環境税は、財の生産に伴って生じる外部費用を課税により価格に上乗せし、生産量を経済厚生上最適な水準に調整しようとするもので、提唱者にちなみ「ピグー税」と呼ばれます。
世界で最初に炭素税を導入したのはフィンランドで、1990年1月に導入して注目されました。1998年には税率が引き上げられており、ガソリン、軽油、重油、天然ガス、石炭などの他に電力消費税があります。これに遅れること1ヶ月で導入に踏み切ったのがオランダです。もっともオランダの場合は、これに先立って1988年に環境課徴金制度があり、1990年には一般燃料税という形になり、さらに1996年からはエネルギー規制税と姿を変えてきています。さらにノルウェー、スウェーデン、デンマーク、イタリア、ドイツ、イギリスとEU諸国では導入が相次いでいます。これらの税収は全て一般財源になっており、使用目的を特定されない普通の税収というわけですが、日本のガソリン税のほとんどが道路財源になっているのと対照的と言えるでしょう。
(2)環境会計(environmental accounting)
企業経営の方針や内容を環境面から評価し、利害関係者のみならず、社会全体に対して説明責任を果たしていくための新しい会計制度です。具体的には、支出=「企業が環境対策にかけた費用」と収入=「それによって生じた効果」を主に金額で表す会計手法で、商品のリサイクル、地球環境への負荷低減策、公害防止対策などの費用が支出に当たり、節電によって削減できた電気代、リサイクル品の売却代、商品の付加価値アップなどが収入に当たります。1990年代半ばから欧米の有力企業で導入が進み、日本でも1999年から富士通やソニー、トヨタ自動車などが公表し始めました。背景には、環境に配慮した経営が重要となり、導入の有無が企業評価や格付けの基準になりつつあるという事情があります。旧環境庁は2000年5月に環境会計のガイドラインを発表したため、導入にはずみがつき、導入の動きは、産業界だけでなく自治体にも広がりました。2000年6月には、ガイドラインに沿って、全国の自治体では初めて神奈川県横須賀市が1998年度の環境会計を公表し、東京都の水道局も2000年から導入しています。
(3)ISO14001
ISO14001(EMS)とは、環境マネジメントシステム(Environmental Management System) に関する国際規格です。自社の経営活動における環境リスクを調査・分析し、そのリスクや環境負担を低減・改善するためのフレームワークとして、様々な業種において認証取得が進められています。ISO(国際標準化機構=International Organization for Standardization、本部ジュネーブ)は、工業製品や部品の形状や寸法などの規格を国際的に標準化することを目的に1947年に設立された民事機関で、130か国以上が参加しています。言ってみれば、JIS(日本工業規格)の国際版みたいなものですが、14000番台は工場や事業所での環境管理・監査の規格を示しており、14001は1996年9月に制定されました。
環境問題に積極的な取り組みをしていることへの国際的な「お墨付き」とも言えるISO14001の認証を受ける事業所が増えています。大手メーカーだけでなく、中小企業からサービス業、さらには自治体や大学まで、様々な分野に広がっているのが最近の特徴です。世界的に見ても、日本はISO14001の認証を取得する事業所がずば抜けて多く、世界の取得企業数のうち、日本の取得企業数は約6割を占めています。