教養としての仏教③:初期大乗

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初期大乗:『般若経』『華厳経』『無量寿経』『阿弥陀経』『観無量寿経』『法華経』などが代表経典。これらを基に三論宗、華厳宗、浄土宗、天台宗などが生まれました。「空」仏教。存在論が中心。大乗仏教は一種の宗教改革で、キリスト教的要素を多分に持っており、『華厳経』の毘盧遮那(ビルシャナ)仏のように、宇宙の本体を仏で表現した法身(ほっしん)概念などは一種の人格神的把握と考えられます。また、『法華経』で法身、人間でありながら悟りを得て法身と一つになった報身(釈迦如来など)、衆生救済のための様々な化身である応身(観音菩薩など)を「三身即一の法」としてとらえるなど、キリスト教の「三位一体説」に似たような概念や、「仏国土」建設のように「地上天国」実現に似た概念が出現していることも注目されます。

ナーガールジュナ(竜樹):初期大乗空仏教の理論的中心、『中論』。縁起の教義を徹底し、あらゆる事物は固定的な不変の実体を持たないとする、「空」の思想を理論化しました。

「色即是空 空即是色」(『般若心経』):「色」は形あるもの、「空」は形なきもの。アインシュタインの質量とエネルギーの変換公式「E=mc2」(E:エネルギー[空]、m:質料[色]、c:光速[定数])に比定されます。

無自性:存在するものは固定的な実体を持たないこと。ナーガールジュナは、全ての事象は他との依存(いそん)・相依(そうい)の関係によって成り立っているとしました。

三論宗:ナーガールジュナ(龍樹)の『中論』『十二門論』、その弟子デーヴァダッタ(提婆)の『百論』を合わせた「三論」を中心として中国で成立。唐代には、華厳宗・天台宗・法相宗の隆盛の陰に隠れ、学問としてのみ存在するようになりました。

華厳宗:『華厳経』を中心として中国で成立。新羅で盛んになり(「韓国は『華厳経』の国、日本は『法華経』の国」と言われます)、日本にも新羅華厳宗が伝えられ、東大寺が中心となりました。後の真言宗にも影響を与えます。「入法界品」では善財童子が登場し、文殊菩薩の勧めにより、様々な指導者(善知識)53人(東海道五十三次の由来)を訪ね歩いて段階的に仏教の修行を積み、最後に普賢菩薩の所で悟りを開くという、菩薩行の理想者として描かれています。

浄土宗:浄土三部経(『大無量寿経』『阿弥陀経』『観無量寿経』)を中心として中国で成立。このうち、『大無量寿経』に法蔵菩薩が阿弥陀仏に成るための修行に先立って立てた「弥陀の四十八願」のうち、第十八願「私が仏になる時、全ての人々が心から信じて、私の国(西方極楽浄土)に生れたいと願い、わずか十回でも念仏して、もし生れることができないようなら、わたしは決して悟りを開きません」(念仏往生の願)が根拠になっているとされます。

天台宗:『法華経』を中心として中国で成立。当時、大乗経典として『華厳経』『法華経』『涅槃経』の評価が高かったのですが、天台大師智顗(ちぎ)の「教相判釈」により「五時八教」の説が立てられ、仏陀は最初に『華厳経』を説きました(華厳時)が、その教えが純粋で難しいため、人々が理解できなかったとして、次に平易な『阿含経』を説いた(阿含時)とします。その後、人々の理解の割合に応じて『維摩経』『勝鬘経』など(方等時)や『般若経』(般若時)を説いて教化し、最後の8年間で『法華経』を説き、死ぬ間際に『涅槃経』を説いた(法華涅槃時)とします。したがって、最後に説いた『法華経』が釈迦の最も重要な教えであるとしています。これによって『法華経』至上主義が生まれましたが、文献批評に基づく聖書批評学に学んだ近代仏教学がサンスクリット語・パーリ語の原典研究を始め、「五時八教」説を完全に否定しました。
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