教養としてのヘレニズム思想➀:世界市民主義(コスモポリタニズム)
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ヘレニズム:ギリシア以来の思想的伝統で、ユダヤ教・キリスト教を中核とする宗教的伝統であるヘブライズムと共に、西洋思想の二大潮流となりました。人間性を肯定し、合理的知識を追求する精神で、後に中世一千年の伝統主義を打破するルネッサンスの指導精神となりました。
世界市民(コスモポリテース):樽を住まいとしていたディオゲネスは、あなたはどこの国の人かと尋ねられると、「世界市民(コスモポリテース)だ」と答えたと言います。ポリスという国家社会に依存しない生き方を理想とする、ヘレニズム時代のコスモポリタニズムの先駆者で、ストア派にも影響を与えました。アレクサンドロス大王が樽のディオゲネスの前に立って「何か所望のものはないか」と尋ねた時、「日が遮られるから、そこをどいてほしい」と答え、アレクサンドロスは「私がもしアレクサンドロスでなかったら、ディオゲネスになりたい」と答えたと言います。
世界市民主義(コスモポリタニズム):宇宙を貫く理法(ロゴス)を人間も共有しており、全ての人間は等しく理性を持つ点において平等であるというストア派の考え方。この考え方は後に、ローマの万民法や近代自然法思想に大きな影響を与えることになりました。
プトレマイオス:2世紀の天文学者。天動説をまとめました。
新プラトン主義:プロティノスに始まります。万物は根源的究極的原因である一者(ト・ヘン)から流出したと考え(流出説)、一者が全ての善の原因で、これと一致した生に真の幸福があるとして、一者に合一することを目指しました。アウグスティヌスなどキリスト教に多大な影響を与え、ルネサンス期にはフィレンツェ・メディチ家が作ったプラトン・アカデミーで復活しました。