組織で仕事し、いつしかマネージングする側になった時に、ある部下からこのような質問をされることがあります。
「仕事をこれだけがんばっているのに、なぜ同期のAさんより私の評価が低いのでしょうか?」
この質問をした部下が仕事に一生懸命に取り組んでいることは知っていましたが、同期のAさんと同じ評価をすることができなかったという話をお伝えしようと思います。
会社は何をする場所ですか?
あなたはこの質問に対してどのように答えるでしょうか?
ほとんどの方はこのように答えると思います。
「会社は仕事をする場所です」
もちろん、この答えは正解です。
では、次の質問はどうでしょうか?
「仕事で評価される時はどのような時ですか?」
この質問には複数の答えがあることが予想できます。
・仕事をがんばった時
・誰かの役に立った時
・誰かに褒められた時
このような答えが予想されますが、これは正解でも不正解でもありません。
確かに、「仕事がんばっているよねえ」と同僚や上司から声をかけられることもあると思います。
会社の同僚の仕事を手伝ってあげて感謝されることもあるでしょう。
単純に顧客からお礼やお褒めの言葉をいただくこともあるでしょう。
だから、答えとしては間違ってはいませんが、私があなたの上司だと仮定した場合は、このような答えでは満足できませんし、それらの答えは間違っていると言わざるを得ないのです。
なぜなら、会社で評価されるということは、会社の期待に応えることが出来た時だけだからです。
会社から何を期待されているのか?
この質問にも複数の答えが予想できますが、私があなたの上司だったと仮定した場合の、私が期待する答えは・・・
「目標を達成する」
これが会社から期待されていることであり、会社での評価の基準になります。
会社は仕事する場所であり、仕事をするためには目標が必要になりますので、その目標を達成することがあなたが会社から期待されていることになります。
営業であれば売上予算(ノルマ)であり、管理部署であれば業務改善でのコスト低減目標などがあなたに会社が期待することになります。
会社から期待されている目標を達成すれば、会社はあなたを評価します。
しかし、会社が期待する目標を達成していなければ、会社はあなたのことを評価しません。
当たり前の話ですよね、と思っている人も多いと思いますが、実は多くの人はこの会社が期待する目標を達成することが評価につながる、ということを理解していません。
冒頭に書いたように「仕事をこれだけがんばっているのに、なぜ同期のAさんより私の評価が低いのでしょうか?」という質問をした部下はこのことに気づいていないから、私にこの質問をしてきたということになります。
プロセスよりも目標の達成が評価の基準
私に質問してきた部下が、仕事に対する取組姿勢、行動力は同期のAさんと比較しても遜色はないことを私は知っていました。
しかし、私はこの時点で質問をしてきた部下をAさんと同じか、それ以上に評価することはできませんでした。
なぜなら、同期のAさんは目標を達成しているが、質問をしてきた部下は目標を達成していなかったからです。
どんなにプロセスの段階で自分ではがんばったつもりだったとしてもそれは自分自身への評価(自己評価)でしかありません。
プロセスのがんばりは会社が期待する目標には含まれていませんから。
会社が期待しているのは目標の達成です。
会社から評価される(他者評価)のは目標を達成して初めて評価されるということです。
この自己評価と他者評価の違いを質問してきた部下は理解できていませんでした。
なので、質問してきた部下には改めて会社は何を評価するのか?ということを伝えました。
最初は少し不満げな印象でしたが、徐々にプロセスを改善することで小さな成功体験を積み上げることで、いつしか同期のAさんと遜色のない評価をしてあげることができるようになりました。
自己啓発の本などにはプロセスが大切だ、と書かれていますし、それが間違っているとは思いません。
しかし、正しいプロセスを経て初めて目標が達成できるのですから、間違ったプロセス(目標が達成できない)は評価には値しない、それが会社という場所ということになります。
今日電話で数年ぶりに昔の上司と話をして、この話を思い出しました。
この「どうして評価されないのか?」と質問したのは20代の私でしたので。
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