私たちは、毎日のように「伝える」という行為をしています。
家族に、職場の同僚に、友人に——。
けれど、「ちゃんと伝えたつもりだったのに、伝わっていなかった」
「あのとき言っておけばよかった…」という経験、ありませんか?
私は看護師として25年近く医療の現場に立ってきました。
命に関わる現場だからこそ、「伝えること」や「確認すること」の大切さを痛感してきました。
でも、この大切さは医療の現場に限った話ではないんです。
実は、誰にとっても大切な“生きる上での基本スキル”だと私は感じています。
「言わなくても伝わっているはず」は、思い込みかもしれない
看護師の仕事では、患者さんの状態やケアの内容、注意点などをチーム内で共有することが不可欠です。
でも忙しい時、ふと「このくらいなら言わなくても大丈夫かな」
「言うと相手の負担になるかも」と遠慮してしまうことがあります。
ところが、そんなときに限ってトラブルが起こるのです。
これは医療現場に限った出来事ではなく、きっと誰の身にも起こりうることです。
「言うべきか迷って、言わなかった」
「相手も気づいていると思って、あえて伝えなかった」
でも、こうした“伝えなかったこと”が、実は大きなすれ違いや失敗に繋がることがあります。
「伝える勇気」は、自分も相手も守る
私が現場で学んだのは、「迷ったときほど、伝えたほうがいい」ということ。
たとえ小さなことでも、些細な違和感でも、伝えておく事で事故を回避出来たり、思わぬ気づきに繋がることがあります。
これは医療の現場に限らず、家庭や職場でも同じです。
たとえば、
「お母さん、最近少し疲れて見えるな」
「この書類の締切、相手に伝わっているかな」
「子どもの様子が、いつもと違うかも」
こんな時に、
「わざわざ言わなくてもいいか」と飲み込むのではなく、
「ちょっと気になったんだけどね」と口に出すだけで、状況が大きく変わるかもしれません。
違和感はしっかり確認する事。
そして伝えることは、“気づき”を共有することでもあります。
それは、相手へのやさしさであり、自分自身を守ることにも繋がるのです。
伝えるだけでは足りない。「ちゃんと伝わっているか」まで確認する
もう一つ、大切にしていることがあります。
それは、「伝えたら終わり」ではないということ。
実際に現場では、「言いましたよね?」というやりとりがよくあります。
でも、相手が聞いていなかった、理解していなかった、もしくは勘違いしていた場合、それは「伝えたこと」になりません。
たとえば、家族に「夕飯、7時にするね」と言ったつもりでも、相手は「8時から」と勘違いしていたら、予定がズレてしまいます。
仕事で「この件は明日までです」と伝えても、相手が「明後日」と受け取っていたら、トラブルになるかもしれません。
だからこそ、「伝えること」には、「確認すること」もセットで必要なのです。
・自分の伝えた内容を、相手は理解しているか
・情報にズレがないか
何かを伝えた時には確認の為に一声かける。
このひと手間で、お互いの誤解やすれ違いを防ぐことができます。
「伝える・確認する」は、人間関係をやさしくする魔法
伝えることって、実は少し勇気がいります。
「面倒に思われないかな」
「余計なことかも」
「嫌われるかもしれない」と思ってしまうから。
でも、ほんの一言が誰かを救ったり、何かを防いだりすることがあります。
そして、ちゃんと確認することは、相手への信頼と安心感を育てる行為です。
ほんの少しの声かけが、職場の空気や家庭の雰囲気をふわっと柔らかくしてくれます。
最後に:伝えることは「責任」でもあり、「やさしさ」でもある
看護師として現場で学んだことは、
“情報は命を守るものであり、心を守る手段でもある”ということ。
確認をする事でその後のトラブルが予防できたという事はたくさんありました。
だからこそ、みなさんもぜひ大切にしてほしいのです。
・迷ったら、伝えてみる
・伝えたら、確認する
この2つのシンプルな行動が、仕事も、家庭も、そして人間関係も、より豊かにしてくれるはずです。
「伝える」というのは、自分の思いを届けること。
「確認する」というのは、相手を想う心を形にすること。
今日から少しだけ意識してみませんか?
きっと、誰かとの距離がぐっと近づくはずです。
本当の意味で優しい世界に繋がりますように。
本日も読んでいただきありがとうございました。