人がモノを買う前ってな、実はもう一回、頭の中で会議やってんねん。
しかもこれ、本人は会議してる自覚ゼロや。
コンビニで新しいチョコ手に取った瞬間、
「別に今日じゃなくてもええよな」って声と、
「でも今ちょっと疲れてるしな…」って声と、
「これ我慢したところで、家帰ってため息つく未来しか見えへんぞ?」って声が、勝手に円卓囲んで喋りだす。
議長もおらん、議事録もない、でも結論だけは出る。不思議やろ。
これ、Amazonでも一緒や。
カートに入れたあと、なぜか一回そっと画面閉じるやつ。
あれな、心の中で財務大臣と欲望大臣が殴り合ってる最中や。
「いや高いやろ」
「でもこれあったら明日ちょっと楽になるやん」
「いや来月のカード請求」
「でも今のままやと、どうせまた同じことでイラつくで?」
って。ほんで最後、どっちかが折れる。その瞬間に、人はポチる。
おもろいのはな、この一連の流れ、ほとんど言葉になってへんことや。
「欲しい」「高い」なんて雑なラベルで片付けてるけど、実際はもっと細かい。
頭では理由を考えたフリして、心は未来の映像見て動いてる。
恋愛も一緒やで。「好きかどうかわからん」って言うとる時点で、もう脳内では三本くらい未来ルート走ってる。
告白して振られる自分、何もせず後悔する自分、うまくいってニヤけてる自分。人は論理より、どの自分を見たいかで選ぶ。
せやのにや。コピー書くとき、セールス考えるとき、いきなり「刺さる言葉」とか探しに行くやろ。順番逆や。
まず、自分が買うとき、何が浮かんで、どこで「うっ」てなって、どの未来が決め手になったか。そこを一回、ちゃんと見たほうがええ。
売る力ってな、口のうまさちゃうねん。
人の心の中で、今どの声がちょっと優勢か。それを察する力や。
で、その力を鍛える一番早い方法はな、次に何か買うとき、黙って自分を観察することや。
ああ今、俺、また脳内会議始まったな、ってな。
でな、その脳内会議、ただ眺めて「なるほどなあ」で終わったら、まだ半分や。ここから一段、踏み込まなあかん。
次にやることはシンプルや。そのとき頭に浮かんだもん、感情、言葉、イメージ、全部、紙に吐き出す。
きれいに書く必要? ないない。文章? いらん。
日本語ですら怪しくてええ。
「楽そう」
「めんどい」
「金…」
「あとで後悔?」
「今しんどい」
「未来の俺ニヤけてる」
そんな単語の羅列で十分や。
ポイントはな、順番や。
人の心は、同時に全部感じてるようで、実はちゃんと時系列で動いてる。
最初は軽い興味、その次に不安、そのあと快楽の映像、ほんで支払いの痛みがズンと来て、最後に「このままやと…」って未来が見える。
この並び、ほぼ全員やってる。
ここでようある勘違いがな、「論理的に考えよう」とすることや。
ちゃうちゃう、今はそれ要らん。因果とか目的とか、全部あとや。
先にやるんは、心が勝手にやってる動きの実況中継や。
これな、ちょっと筋トレに似てる。最初から重たいダンベル持とうとすると、フォーム崩れて腰いわすやろ。
まずは軽いので、「あ、今ここ使ってるな」って感覚を掴む。それと一緒や。
ほんでな、全部出し切ったあと、初めて整理する。
ぐちゃぐちゃのワードを眺めて、
「あ、これ同じグループやな」
「これは後半に出てきたな」
って並べ替える。
すると、不思議なことに、自分がどこで一番揺れてたか、見えてくる。
ここで一回、気づいてほしいんがある。
人はな、「欲しいから買った」んちゃうねん。
嫌な未来を避けたくてか、気持ちええ未来を見たくて買ってる。
しかもその未来、だいたいめっちゃ個人的で、めっちゃ感情的や。
ダイエット器具を買う人が見てる未来は、腹筋やなくて、鏡の前でちょっと誇らしげな自分や。
仕事効率化ツール買う人が見てるのは、機能一覧やなくて、「もう今日はこれで終わり」って椅子にもたれる夜の自分や。
この段階まで来たらな、もう薄々気づいてるはずや。
コピーって、言葉を足す作業ちゃう。
削ぎ落として、本当に動いた瞬間を見つける作業や。
せやけどな、ここで終わったら、まだ「自分の話」で止まる。
ここまで来たらな、多分ちょっと不安になってるはずや。
「これ、自分の感情ばっかりやけど、ほんまに売る話につながるん?」って。安心せえ。ここからが本題や。
次にやるのはな、さっき並べたワードを二つに分けることや。事実と、意見。難しそうに聞こえるけど、やることは単純や。
例えばな、「値段が高い」これ、一見事実っぽいやろ?でもちゃう。これ意見や。
事実いうのは、「3万円」みたいに、誰が見ても変わらんもん。「高い」「安い」「不安」「微妙」――これ全部、その人のフィルター通した感想や。
ここ、めっちゃ大事やから言うで。
意見はな、事実そのものから生まれてるんちゃう。
事実を“どの角度から見たか”で生まれてる。
つまりや。同じ3万円でも、
・給料日前の3万円
・趣味に使う3万円
・失敗したら終わる3万円
全部、見え方ちゃうやろ。
人はな、自分がどんな色眼鏡かけてるか、ほぼ自覚してへん。
せやから、自分の意見を「当たり前」やと思って喋る。
ほんでそのままコピーに書く。
結果、「なんか正しいこと書いてるけど、刺さらん文章」が出来上がる。
AIでコピー書いてズレる理由も、ここや。AIが悪いんちゃう。
人間側が、意見を事実として渡してるんや。
「この商品、高いけど価値あるから」これ、もう自分の色眼鏡ベタ塗りや。誰の価値観やねん、って話や。
ここで一回、冷静になろ。
自分が買うときに出てきた「高い」「不安」「ちょっと怪しい」それ全部、「自分がどんな立場・制約・目的・価値観で見てたか」の結果や。
ここに気づいた瞬間な、コピーの世界、ガラッと変わる。
なぜなら――自分と客は、だいたい別の色眼鏡かけてるからや。
ここまでで分かったはずや。
自分がモノ買うときに出てくる「高い」「不安」「なんか引っかかる」は、全部、自分の立場と基準が作った意見や。
ほな、次の問いや。客は?同じ商品、同じ価格、同じ説明文を見てるはずやのに、なんで反応ちゃうんや。
答えは単純や。見てる「事実」は一緒でも、立ってる場所が違う。
例えばな、「価格が気になります」って言われたとする。
これ、コピー書く側はすぐこう解釈しがちや。「もっと安くしないとアカンのかな」って。
でもな、ちょっと待て。ほんまにそうか?
その一言の裏には、全然違う世界が隠れてることがある。
過去に似た商品で失敗した経験かもしれん。家族に反対された記憶かもしれん。あるいは、今月すでにデカい出費があっただけかもしれん。
同じ「価格が気になる」でも、
・コスパ重視の人
・品質が心配な人
・決断に慣れてない人
・責任を背負いたくない人
ぜんぶ別モンや。
せやのにや。コピーでやりがちなんは、「価格以上の価値があります!」ってドーンと殴ることや。
これな、恋愛で言うたら、相手が黙ってる理由も分からんのに、「俺のこと好きになる理由10個!」って急にプレゼン始めるようなもんや。怖いやろ。
売るいうのはな、説得ちゃう。相手がどの価値観からその言葉を発したかを想像する行為や。
相手の発言を、そのまま言葉として受け取ったらアカン。
「この人は、どんな基準で世界を見てるんやろ」「何を守ろうとしてるんやろ」そこを考える。
ここまで来たら、もう一歩や。コピーライティングで本当にやるべきこと、見えてきてるはずや。
それはな、
事実を変えることやなくて、
事実を見る“角度”を相手に合わせることや。
自分の意見は、自分の意見。
でも、客が動く理由は、客の意見や。
このズレを埋める作業が、セールスライティングや。
全部つなげて終わるで。「売る」とは結局、何をやってる行為なんか。
ここまで長々しゃべってきたけどな、結局これだけの話なんや。
売るいうのは、うまい言葉を思いつくことでも、論理でねじ伏せることでも、ましてや相手を操作することでもない。
売るとはな、人の心の中で起きてる流れを、そっとなぞる行為や。
人は、自分で思ってるほど合理的ちゃう。
頭で理由を並べたあとに、実はもう結論出してる。
ほんでその結論の正当化に、論理を後付けしてるだけや。
せやからコピーでやるべきことは、「納得させる」ことやなくて、「もう決まりかけてた気持ちに、そっと言葉を与える」ことや。
ここで、最初の話を思い出してほしい。
コンビニのチョコ、Amazonのカート、閉じた画面。あのとき、誰かに説教されたわけちゃうやろ。
ただ、自分の中で、未来の映像が勝手に浮かんで、「まあ、ええか」って腹が決まっただけや。
あれと同じことを、文章で再現する。それがコピーや。
AI使うのも、全然ええ。むしろ使ったらええ。
でもな、材料がズレてたら、どれだけ賢いAIでも、それっぽいけど刺さらん文章しか出てこん。
材料いうのは、自分がモノ買うときに、どこで迷って、どんな未来を見て、どの感情が最後に背中押したか、そこや。
次、何か買うとき、ちょっとだけ立ち止まってみ。
「今、俺、どんな意見を、どんな基準で作ってるんやろ」って。
それを書き留める。並べる。
事実と意見に分ける。
ほんで、「これ、他人やったらどう見える?」って考える。
それだけでええ。それができるようになったら、コピーは自然と変わる。
最後に一個だけ言うとくで。
売れる言葉は、外に探しに行くもんちゃう。
自分の購買体験の中に、だいたい全部転がってる。
そこを拾えるようになったとき、初めて、人の心に触る文章が書けるようになる。
ほな、今日はこのへんで。
追伸
ま、これがわかったところで、ほとんどの奴は明日には忘れて、また『魔法のテンプレート』探しに行くんやけどな(笑)
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