ケアマネージャーに、一瞬恋をした

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コラム
母が脳梗塞で倒れた日、私は恋に落ちた
母が脳梗塞で倒れた日、私は救急車で病院に行った。
様々な検査に付き合い、書類を書き、説明を聞いた。帰宅したのは、5時間後くらいだった。
部屋着に着替えて、ぼんやりしていた。何も考えられなかった。ただ、疲れていた。
そのとき、玄関のチャイムが鳴った。
玄関を開けると、ケアマネージャーが立っていた。雨に濡れながら。
「大丈夫ですか?」
そう言って、私の目を見た。
3秒くらい、見つめ合った。
その瞬間、恋に落ちた。
もちろん、片思いだ。

なぜ、恋に落ちたのか
今思えば、あれは恋じゃなかったのかもしれない。
でも、あの瞬間、私は確かに恋をした。
5時間の病院。母の検査。書類の山。誰も私を見てくれなかった。
でも、ケアマネージャーは、私を見た。
「大丈夫ですか?」
その言葉は、母への気遣いじゃなかった。私への気遣いだった。
雨に濡れながら、私の家まで来てくれた。母のためじゃなく、私のために。
その瞬間、私は救われた。
だから、恋に落ちた。

その後
母の介護が始まってから、ケアマネージャーには何度も会った。
でも、あの瞬間のような感情は、二度と起きなかった。
ケアマネージャーは、いつも優しかった。母のことを気にかけてくれた。私のことも気にかけてくれた。
でも、あの日の「恋」は、もうなかった。

母が亡くなったとき
母が亡くなったとき、ケアマネージャーにも連絡した。
「お疲れ様でした」
そう言ってくれた。
そして、それで終わった。
母が亡くなると、恋も終わった。

なぜ、恋は終わったのか
今思えば、あの恋は、介護の中で生まれた恋だった。
母がいなくなったら、介護もなくなった。そして、恋もなくなった。
ケアマネージャーは、介護の中の存在だった。母がいなくなったら、その存在も、私の人生から消えた。

最後に
あの日、玄関で見つめ合った3秒。
あれは、恋だったのか、救いだったのか、今でもわからない。
でも、あの瞬間、私は確かに恋をした。
そして、母が亡くなったとき、その恋も終わった。
介護の中で生まれた恋は、介護が終わると、消える。
それでいいのかもしれない。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。


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