恨みを持っている人に、「恨んではいけない」と言う人がいるが、これもほとんどの場合、意味がないだろう。
なぜなら、恨みを持っている人は、恨みを持ちたくて持っているのではないからである。むしろ、心の奥底では恨みを持つことは良くないと、後ろめたい思いを抱きながら、恨みを持っていることが多い。
恨みを持っている人は、恨みを持たざるを得ない、その人なりの理由や事情、恨みを持つに至るまでの経緯があることが少なくない。
恨みの奥には怒りがある。怒りの奥には悲しみがある。恨みの浄化に必要なのは、諭すことではなく癒すことなのである。