傾聴は言葉にならない思いを感じとるためにある

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「話し上手より聞き上手」「話すよりも聞くことが大事だ」というように、聞くことの大切さを示す言葉がある。相談業や対人援助の仕事でも、傾聴が大切だとされている。

しかし、この傾聴は単に相手の話す言葉を一言一句、聞き漏らすことないように聞くことなのだろか…?では傾聴とは何であり、何のためにするのだろうか?

実は何らかの困り事や問題を抱えている相談者は、理路整然と滑らかに相談内容を話してくることはまれである。

むしろ、本当に困っている人ほど、自分が置かれている状況やそこに至るまでの経緯などを説明することに必死で、上手く話せないことが少なくない。

そういった必死の状況説明を通じて、間接的に自分が味わっている苦しみや痛みを訴えかけていることが多い。つまり、相談者もはっきりと自分の苦しみや痛みを言葉にしきれないのである。

人間は自分のなかにある感情や思いをすべて言葉にできるかというと、そうではない。むしろ、本心や本音といった大事なものは、言葉に表れないところに隠れていることが多い。

この言葉にならない本心や本音を感じとることこそが、傾聴の目的であり、極意でもある。

傾聴はただ単に相談者が語る言葉をなぞることではない。人は、言葉を介して言葉を超えたものを表現している。この言葉を超えたものを、同じく自分のなかにある言葉を超えたものによって感じとることができたときに、目に見えないつながりが相談者との間にできるのを実感できるのである。








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