はじめに|「問い合わせが増えた」のに、なぜ手元にお金が残らないのか?
ホームページやLP(ランディングページ)を作った。
あるいはリニューアルして、問い合わせ数が増えた。
「でも、なぜか利益が出ていない」
中小企業経営者の読者の方、
こんな経験をされたことはありませんか?
あるいは今まさに、「問い合わせをもっと増やしたい」と思って
この記事にたどり着いた方も多いかと思います。
その気持ちは、当然です。
問い合わせが来なければ商売になりません。
ホームページやランディングページ(LP)に投資するなら、
当然「もっと問い合わせを増やしたい」と考えるのは自然なことです。
ただ、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
「問い合わせの数を増やすこと」と「利益を増やすこと」は、本当に同じでしょうか?
むしろ、設計を間違えたLPで問い合わせを増やしてしまうと、
・対応コストが増大
・値引き交渉ばかりの客が集まる
・気づいたときには「忙しいのに儲からない」という状況
に陥っていた、そんなケースが中小企業の現場では決して珍しくないのです。
この記事では、単なる集客UPがなぜ利益減につながるのか、
そしてその構造的な原因と対策を、経営視点からお伝えします。
「問い合わせを増やして【利益を残したい】」と思っている方に、
ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。
問い合わせが増えると、利益が減る??
「問い合わせが増えれば売上が増える。売上が増えれば利益も増える」
一見、当たり前のように聞こえるこの論理。
しかし、現実はそれほど単純ではありません。
経営的な観点では
・問い合わせが増えると「コスト(変動費)」も増える
・キャッシュフローを悪化させる顧客を集めてしまう
そして、一番の問題は
・「安い客」「面倒な客」を大量に集めてしまうリスク
があります。
言い換えるとLP設計を間違えたら、
・利益率の低い顧客
・対応コストの高い顧客
ばかりを集めてしまう可能性が高まるということです。
例えば、ありがちなのはこういったケースです。
依頼者:「まずは、問い合わせ数を増やしたいから安さをアピールしたLP(ランディングページ)を作って欲しい」
LP制作者(Webデザイナー):「分かりました。集客力を高めるLP制作は得意なので任せてください」
しかし、想定通り集客ができたとしても、
仮に価格の安さを前面に押し出したLPを作ると、
当然「安さ」に惹かれた客が集まります。
彼らは価格に敏感なため、値引き交渉が多く、
少しでも期待と違えばクレームに発展しやすい。
成約しても利益は薄く、対応コストは高い。
対応に時間も精神も取られて、疲弊する。
さらに言うと、
その対応時間は本来営業活動に割り当てることができた時間です。
つまり、営業機会を大きく損失しているのです。
これでは、問い合わせが増えれば増えるほど、
経営が苦しくなっていきます。
また、もう一つ見落とされがちな視点が、
「キャッシュフロー(現金の流れ)」への影響です。
例えば、支払いサイクルが長い取引先(請求から入金まで3ヶ月かかるなど)や、分割払いを希望する顧客ばかりが集まると売上の数字は伸びていても手
元の現金が足りない、という状況が生まれます。
「売上はあるのに資金繰りが苦しい」
目先の「集客」ばかりに目が行き、
どういう顧客が欲しいのか?
どういう顧客に来てもらったら「業績が向上するのか?」
という観点が抜けているのです。
Webデザイナーにもちろん悪気はありません。
「言われたとおりに作っただけ」
なのです。
しかし、状況が改善されなければ
これはLP設計の失敗が招いた、経営上の深刻なリスクです。
原因は、LPの「設計思想」
では、なぜこのような状況が起きるのでしょうか。
根本的な原因は、ほとんどのWebデザイナーやLP制作会社が、
「経営」を理解していないまま制作しているという点にあります。
デザイナーが見ているのは基本的に「画面の中」だけです。
ココナラでもたくさんの実力派Webデザイナーが出品しています。
とてもキレイなデザインや集客に貢献してくれるLPを作られるでしょう。
しかし、多くのWebデザイナーが持っているゴールは、
「見た目の良いページを作ること」
「アクセスを増やすこと」
「問い合わせ数を増やすこと」
です。
これ自体は間違いではありません。しかし、そこで思考が止まっている。
「問い合わせが来た後、どんな客と契約につながるのか」
「その客は自社の利益率を上げてくれるのか」
「長期的なリピーターになってくれるのか」
こうした経営上の問いに向き合ってLPを設計しているデザイナーは、実はほとんどいないのが現実です。
ココナラのLPで一覧表示を確認してみてください。
各サムネイルで
「売上UP」「集客UP」「反応率が~」
と言った文言はよく見かけます。
しかし、実際に集まった顧客リストを見たら、
貴社の「理想の顧客」は集まっていますか??
「集客」と「集人」の違い
ここで一つ、重要な概念をご紹介します。
「集客」と「集人」という区別です。
・「集人(しゅうじん)」とは、とにかく人を集めること。
アクセス数や問い合わせ数を増やすことだけを目的とした状態です。
・「集客(しゅうきゃく)」とは、本当の意味での「客」
つまり、自社のサービスに価値を感じ、適切な対価を支払ってくれる人を集めること。
本当の意味での「集客」を実現できているLPは、残念ながら少数ではないでしょうか。
「集人」と「集客」の違いは、一見小さいようで、経営に与える影響は天と地ほど違います。
LPは「入口」ではなく「フィルター」である
発想を変えてみてください。
LPの役割は、「できるだけ多くの人を引き込む入口」ではなく、
「自社にとって良い顧客だけを通すフィルター」であると。
良いフィルターを設計できれば、問い合わせの数が多少減ったとしても、
成約率は上がり、単価は上がり、クレームは減り、利益率は改善していきます。
これが、経営視点でのLP設計の本質です。
私の場合は、まず「ヒアリング」で営業方針を確認しています。
これまで説明してきたリスクに発注者である社長が気づいていない場合は、
説明して導線やターゲットを変更するか、
いわゆるカスタマージャーニー(顧客導線)を再設計するか等の提案をして、
経営者の判断を仰ぎます。
当たり前ですが、提案はしますがご判断は経営者です。
尚、誤解しないでいただきたいのは
「高単価客」を集めることだけが正解でもないのです。
例えば、過去の事例では
「電話で問い合わせが取れれば、あとは口頭でアポが簡単にとれるからとにかく電話がたくさん鳴るようにLPを作って欲しい」
というリフォーム業の方からのご要望もありました。
つまり、正解は「会社ごとに違う」のです。
この会社では、社長自らが電話対応してお客様の温度感を確認して
アポを取った方が決まるということなので、それが正解です。
電話自体はLP制作フローとは関係ありませんので、
その前段階の設計がLP制作者の仕事となります。
私の場合は、ヒアリングシートにて「営業フロー」「営業方針」を確認して
LPの設計を行っています。
まとめ|増やすべきは「問い合わせの数」ではなく「問い合わせの質」
改めて、この記事でお伝えしてきたことを整理します。
・問い合わせを増やすことと、利益を増やすことは同じではない
・設計を間違えたLPは、対応コストを増大させ利益率を悪化させる顧客を集めてしまう
・ほとんどのWebデザイナーは「見た目」と「アクセス数」しか見ておらず、経営への貢献まで考えていない
・本当に必要なのは「良い顧客を集めるフィルター」としてのLP設計
・契約率・利益率・キャッシュフローまで逆算した経営視点のLP設計が、中小企業の経営を変える
ホームページやLPへの投資は、正しい設計があってこそ、経営改善につながります。
「問い合わせを増やしたい」という気持ちはわかります。
しかしその前に「どんな問い合わせを増やしたいのか」を一度立ち止まって考えてみてください。
その答えが出たとき、必要なのは「安くて早いLP」ではなく、「経営を理解した上で設計されたLP」だと気づいていただけるはずです。
次回は「ではどうすれば」というご相談に対するアンサーとして、
考え方をお伝えします。
お楽しみに!
「自分のビジネスにとっての良い顧客とは何か」を一緒に整理しながら、
LPを設計してほしいとお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。
ご依頼・ご相談はこちらのサービスページからお気軽にどうぞ。
初めての外注で不安な方も、まずはメッセージだけでも構いません。
あなたのビジネスの現状をお聞きした上で、最適なご提案をいたします。