法的対応が自滅の第一歩
私は心理と法務の両面で問題解決にあたるカウンセラーです。
職場のハラスメントや人間関係トラブルの解決アドバイスもしております。
中小企業のハラスメント担当部署のサポートもしております。
ここではハラスメントトラブルが発生した場合の基本的な対処法をお知らせします。
人手不足に悩む中小企業の場合、「法律的思考」で対応すると、会社が損害を受ける確率がグンとあがります。
夫婦関係でもそうですが、弁護士がでてきたら信頼関係が回復することはありません。
会社が弁護士や法律系専門家に相談したときが自滅の第一歩です。
退職者が増え、職場のギスギス感がさらに高まります。
でも、社長さんをはじめ多くの人たちが<法律的解決>しか頭に思い浮かばないので、ついその方向での対応を選んでしまいます。
だからこそ、この記事には我ながら重大な価値があると思っています。
法律的解決以外の方法がちゃんとあるからです。
ほとんどのトラブルはその方法で円満解決に導くことができます。
但し、皆さんが誠意をもって正しい対応方法を実践できればの話です。
多少の訓練は必要ですが、法務系専門家に任せるよりははるかにマシです。
相談スタート時
被害者から相談を受けたとき。
それはハラスメントか?証拠はあるの?
という反応。
これは最悪です。法律的思考、いわゆる「保身」で対応しているからです。
大切な社員の命を健康を守ろうとしていること。
これが「誠意」の意味ですので、これに納得できない方は以下を読む価値がありません。
被害者相談の際には、まずは連絡手段を確立します。
被害者が精神的に参ったときにはいつでも連絡が取れるようにします。
次に、健康状態について教えてもらいます。
食事は? 睡眠は? 朝、出勤するときにはどんな気持ち?
そして、心理ストレスについてひたすら傾聴します。
気持ちを話してもらうコツ
とは言っても、被害者はなかなか気持ちを説明できません。
以下は、相談担当者が被害者から人間として信頼されている前提です。
こういうことを被害者に聞いてみましょう。
その心理ストレスはどんな気持ち?
不安?焦り?怒り?孤独?または別のなにか?
その気持ちはどんなときに感じるの?
上司の言葉? 表情? 態度? または別のなにか?
いつからそう感じるようになったの?
上司がもしこんな人だったらどう?
周囲がこうしてくれたらどう?
会社がこうしてくれたらどう?
こんなことを聞いているうちに「どうしたらいいか」が見えてきます。
この話の最中に聞き手は余計なことを考えていけません。
対話中に余計なことを考えてはいけない
余計なことの一つは、相手を評価することです。
そんなことを気にしなくてもいいよ。
それは大丈夫だよ。
君は考えすぎだよ。
それは良くないよ。
こういった発言は無駄なばかりか有害です。
まず、相手の話を聞いていないからそうなります。
そして、評価をされると、相手は話しにくくなります。
(こうやっていちいち評価されたらもう話せないなあ・・・)
と思われてしまうリスクが高まるからです。
相手を評価する気持ちをゼロにして話を聞きましょう。
善悪を考えないこと
私たちは悪い癖を持っています。それは。
自分の正しさを気にしながら対話することです。
対話は何のためにするのですか?
相手を理解するためですよね。それ以外になんの意味がありますか?
なのに、相手を知ろうとする前に自分の正しさが気になってしまう。
それはつまり、相手を知ろうとしていないのだから、もし善悪を判断してよいなら、対話中に自分の正しさを気にしている人が「悪」です。
ハラスメント被害者は心理的ストレスに悩まされているのですから、そんな状況の人に正しさを期待するのは無駄です。
よって、ひたすら相手の心の世界を理解することに全力をそそいで話を聴いてください。
対等の対話の価値を理解できない会社には無理
ここまでをしっかり行っていれば、かなり高い確率で法的紛争を回避できるでしょう。
自分の気持ちを理解している人がいる限り、そういう人たちを相手に対立したいとは思いにくいからです。
よって、気持ちを理解し共感できる人を社内で養成してください。
トラブルの再発防止に対しては誠実に向き合ってくださいね。
社員を理解することは会社が社員に支配されるということだ。
もしもそんな風に考えている人がいたとしたら、その人の人間関係はすでに、かなり寂しい状況のはずです。
相手に媚びる必要はないし、マウントを取る必要もないのに、上か下か、どちらかでなければ対話ができない人。
相手を理解することは同意することと同じだと思う人。
それは単純に、対等の対話ができないという個人的な問題にすぎません。
さて、今回はこのあたりで終わりにしておきます。