「これは原案ですよ。細かいところは骨格が決まってから修正しますからね。」
と部下から上司にあげたドラフト。
なのに上司から、細かい部分の指摘ばかりされる。
「骨格を見てください」って何度も言っているのに、「骨格」についてはスルーされる。いつもそうなる。
そして問題が起きた時に、上司は責任を取らない。
「自分は知らなかった」などという。
この現象はよく見かけるのですが、カウンセリング的に分析してみると、その上司は、
構造的な理解が苦手
なタイプの人かもしれません。
文章表現の不自然さや文字の間違いには気がつくけれど、ドラフトの背景にある構造を立体的にイメージすることが苦手な場合、どうしても表層的な細かい部分に意識が向いてしまいます。
それは無意識に「構造的な思考」を回避するクセが身についてしまっているのかもしれません。
もちろんその上司は、その人なりに精いっぱいやっています。
でも部下にとってはやっかいな上司です。
細かいところにばかりケチをつけて、基本的な部分をあいまいする。
仕事が合理的に進まないし、判断に迷うことばかりだからストレスがたまる。
そして問題が起きたら責任をなすりつけられる。
つまり、その上司は管理職でありながら、管理職として果たすべき大事な役割が果たせていない。
これは「名ばかり管理職」です。
こういう状況では、部下はもちろんですが、その上司もかわいそうです。
つまり、その上司は「その部分」においては、その役割に適合していない能力の人なのです。
しかし、こういった場合、その「上司である人」は、自分が構造的な思考が苦手であることを必死に隠そうとすることがよくあります。
そういう場合は、その上司にとって、今の「立場」でいることが、ひどく重要に感じられているから、かもしれません。
こういった心の仕組みを紐解いてゆけば、経営者としてどうするべきかが見えてきます。
そのとき、もし、その上司を叱責するとか、強制的に配置換えするとか、そういう方法しか思い浮かばなかったとしたら、もう少し考えていただきたいです。
もっと他に方法がありませんか?
昭和の時代は単純でしたね。
「きつく言えば人が動く」「プレッシャーをかければ人が変わる」という思い込み。
私もそう思っていました。カウンセラーになるまでは。
でも、今思えば、「バカの一つ覚え」だったと深く反省しています。
「適材適所」は人事の基本。
でも、人の配置を変える方法で適材適所を実現するのは、AI化が進み少数精鋭化が進む現代では、特に中小企業では、かなり無理。
無理なはずなのに、いまなんとかなっている、という感覚をお持ちの経営者さん。
「隠ぺい」が起きていないか、一度疑ってみることをお勧めします。
管理職が本当の心を隠し、「ちゃんと管理職の役割を果たしている」という虚偽の自分をあなたに見せているのではないか。
「会社なんてそんなもんだろ。」
そうです。それが普通の会社です。そして、普通の結論に向かいます。
で、その「普通」は会社の豊かな未来につながっていますか?
これまでの常識で見た場合の「普通の会社」が生き残れるとお考えなら結構です。
真実がわかれば対策も見えてきます。
いま問題があってもなんとかなっているのなら、それは「伸びしろがある」ということですね。
真実が見えてきたらラッキーなわけですから、そのために精いっぱいの努力をしたもいいですよね。
自分が先に変わらないと、真実は永久に闇の中でしょう。