国家資格キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士

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こんにちは。
脱公務員キャリアコンサルタントのしーもです。

国家資格キャリアコンサルタントと(1級・2級)キャリアコンサルティング技能士って一体何が違うのか?ということについて、

レベルが違う(国家<2級<1級)、、、くらいしか理解してなかったので、
今回改めて、技能検定とは一体何なのかを整理してみました。

■職業能力開発促進法に基づく違い

結論としては、
どちらも職業能力開発促進法に基づく資格ですが、
一方は国家資格、もう一方は技能検定(通称:国家検定)と根拠条文が違います。

国家資格に関する条文は、第30条の4
技能検定に関する条文は、第44条
(キャリアコンサルタント試験)
第三十条の四 キャリアコンサルタント試験は、厚生労働大臣が行う。

2 前項のキャリアコンサルタント試験(以下この節において「キャリアコンサルタント試験」という。)は、学科試験及び実技試験によつて行う。

3 次の各号のいずれかに該当する者でなければ、キャリアコンサルタント試験を受けることができない。

一 キャリアコンサルティングに必要な知識及び技能に関する講習で厚生労働省令で定めるものの課程を修了した者
二 厚生労働省令で定める実務の経験を有する者
三 前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働省令で定めるもの

4 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定める資格を有する者に対し、第二項の学科試験又は実技試験の全部又は一部を免除することができる。
(技能検定)
第四十四条 技能検定は、厚生労働大臣が、厚生労働省令で定める職種(以下この条において「検定職種」という。)ごとに、厚生労働省令で定める等級に区分して行う。ただし、検定職種のうち、等級に区分することが適当でない職種として厚生労働省令で定めるものについては、等級に区分しないで行うことができる。

2 前項の技能検定(以下この章において「技能検定」という。)の合格に必要な技能及びこれに関する知識の程度は、検定職種ごとに、厚生労働省令で定める。

3 技能検定は、実技試験及び学科試験によつて行う。

4 実技試験の実施方法は、検定職種ごとに、厚生労働省令で定める。

キャリアコンサルティング技能士に限らず、様々な職種に関する技能士検定の根拠条文がこの第44条です。

ちなみに私が所持している2級ファイナンシャルプランニング技能士も、実は職業能力開発促進法を根拠としていることがわかりました。

キャリアコンサルタントに関する法的な位置づけは以下の記事参照↓↓↓

■レベル感の違いと制度の経緯

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キャリアコンサルティング協議会

国家資格キャリアコンサルタントは標準レベル
2級キャリアコンサルティング技能士は熟練レベル
1級キャリアコンサルティング技能士は指導レベル

という整理がされています。

技術レベルとしては階段状になっているのだけども、資格の位置付けが国家資格国家検定かというところで、根っこが違うので少々わかりにくくなっている面はあると思います。

そもそもの経緯としては、
2008年以前~キャリアコンサルタントは民間資格だった
2008年~キャリアコンサルティング技能士の技能検定(国家検定)が開始
2016年~キャリアコンサルタントの国家資格化
という順序で資格制度が整備されてきました。

国家資格キャリアコンサルタントを設けるときに、単純に3級キャリアコンサルティング技能士としておけばとても分かりやすかったのではないかと思いますが、、、

国家資格という”格”にこだわったことで、このような区分になったわけです。
やはり、国家資格としてのインパクトは大きいので、キャリアコンサルタントの増員、キャリアコンサルティングの普及に一役買っていることは間違いないでしょう。

これが、3級キャリアコンサルティング技能士になっていたら全然違っていたのではないでしょうか。

■国家資格と国家検定の区別

国家資格とは、国の法律に基づいているものを指しますので、
広義の意味では国家検定も国家資格と呼んで差し支えないと言えます。

国家資格の分類として以下の4つの区分があるイメージです。
・業務独占資格:医師、弁護士など、宅地建物取引士など
・名称独占資格:キャリアコンサルタント、栄養士など
・設置義務資格:衛生管理者、宅地建物取引士など
・技能検定:ファイナンシャルプランニング、キャリアコンサルティングなど

狭義の意味では、国家資格(業務独占、名称独占、設置義務)と国家検定(技能検定)は分けられています。

その目的とするところが少し違うからですね。
国家資格は、ある特定の職に就くために必要な資格
国家検定は、その技能の習得レベルを評価する制度
という感じですね。

■技能士はキャリアコンサルタントを名乗れない?

職業能力開発促進法第30条の28では、
キャリアコンサルタントでない者は、キャリアコンサルタント又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
と定めがあります。

また、同法第30条の19には、
キャリアコンサルタント試験に合格した者は、厚生労働省に備えるキャリアコンサルタント名簿に、氏名、事務所の所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けて、キャリアコンサルタントとなることができる。

ということは、、、
国家資格キャリアコンサルタントの資格を持たないキャリアコンサルティング技能士は、キャリアコンサルタントと名乗ることができないということになります。

上位資格なのに、その手前の下位資格を持っていないなんて、そんなのあり得ないだろと思うかもしれませんが、あり得るのです。

建付け上は上位資格と位置付けられていても、根っこが違うのでそれぞれの資格を単独で受験することができるのです。

上位資格の受験要件に下位資格の取得は条件になっていません。

1級、2級、国家資格いずれも実務経験のみで受験は可能です。
1級受験に2級取得や国家資格の所持は要件になっていないのです。

なので、国家資格キャリアコンサルタントを所持していないキャリアコンサルティング技能士というのもあり得るのです。

だけど、熟練レベル以上の人なのに、キャリアコンサルタントを名乗れないのも何だか違和感はありますね。

■試験の免除規定

じゃあ、わざわざ熟練レベル以上の人が、下位資格を受験しなければならないのか?というと、そこはちゃんと整理がされています。
■職業能力開発促進法
(キャリアコンサルタント試験)
第三十条の四 キャリアコンサルタント試験は、厚生労働大臣が行う。

2 前項のキャリアコンサルタント試験(以下この節において「キャリアコンサルタント試験」という。)は、学科試験及び実技試験によつて行う。

3 次の各号のいずれかに該当する者でなければ、キャリアコンサルタント試験を受けることができない。
一 キャリアコンサルティングに必要な知識及び技能に関する講習で厚生労働省令で定めるものの課程を修了した者
二 厚生労働省令で定める実務の経験を有する者
三 前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働省令で定めるもの

4 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定める資格を有する者に対し、第二項の学科試験又は実技試験の全部又は一部を免除することができる。
■職業能力開発促進法施行規則
(試験の免除)
第四十八条の五 法第三十条の四第四項の厚生労働省令で定める資格を有する者は、次の各号に掲げる者とし、その者に対して、同条第二項の学科試験及び実技試験のうち、それぞれ、当該各号に定める試験を免除する。
一 キャリアコンサルティングに関し、一級又は二級の技能検定において学科試験に合格した者 学科試験
二 キャリアコンサルティングに関し、一級又は二級の技能検定において実技試験に合格した者 実技試験

職業能力開発促進法第30条の4第4項には試験の免除規定があり、1級技能士や2級技能士の試験合格者は学科・実技を免除するとなっていますので、改めて国家資格キャリアコンサルタント試験を受験する必要はありません。

つまり、国家試験を受けなくてもいいけども、登録はしないとキャリアコンサルタントと名乗ることはできないですよ、ということですね。

■更新の有無

国家資格キャリアコンサルタントには5年に一度の資格更新が必要ですが、キャリアコンサルティング技能士には更新という概念はありません。

資格を更新するためには、5年間の資格有効期間内に更新講習(知識講習8時間、技能講習30時間)を受けなければ、更新できない仕組みになっています。

それで必要十分かという議論はさておき、車の免許のように完全にペーパードライバー状態で資格だけを延々と更新することはできないことは確かですね。

■職業能力開発促進法施行規則
(講習)
第四十八条の十七 法第三十条の十九第三項の更新を受けようとする者は、法第三十条の二十のキャリアコンサルタント登録証(以下「登録証」という。)の有効期間が満了する日の五年前から同日までの間に、次の各号に掲げる講習ごと当該各号に定める時間以上の講習を受けなければならない。
一 労働関係法令その他キャリアコンサルティングを適正に実施するために必要な知識の維持を図るための講習として別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣が指定するもの 八時間
二 キャリアコンサルティングを適正に実施するために必要な技能の維持を図るための講習として別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣が指定するもの 三十時間

今回整理してみて、自分の中でよくわかっていなかった部分が色々とクリアになりました。

久々に法律を読み解くのも面白いですね。
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