テンプレを使えば伝わる。
そう信じていた時期があった。
結論を述べ、理由を説明し、具体例を挟み、最後にもう一度まとめる。
PREP法の王道である。多くの教科書や記事でも、その流れで書くようにと教えられる。
実際にその通りに書いてみた。だが、反応はいまひとつだった。
「論理が弱い」と言われ、途中で読み飛ばされ、結局伝わらなかった。
「きちんと構成したはずなのに、なぜ……?」
そんな違和感を、何度も味わってきた。
構成とは文章を成り立たせる基礎
構成とは、PREPやSDSといった「型」のことだと思っていた。
伝える順序にはルールがあり、それに従えば自然と伝わるはずだと信じていた。
だが現実は違った。
型に当てはめても、伝わらないことがある。
むしろ、型に沿ったことでかえって“よそよそしく”感じられることすらあった。
要するに、構成とは意味を取り違えると文章構成そのものが噛み合わなくなるのだ。
書いている自分には筋が通って見える。
けれど、読んでいる相手には「なんとなく噛み合わない」と映る。
理由もわからないまま、読まれずに終わってしまう──そんなことが何度も起きた。
構成とは「型のパターン」ではない。
もっと別の、目に見えにくい要素が関わっているのではないか。
そう思うようになったのは、この頃からだった。
PREPや三部構成も「構成」の一部にすぎない
構成を組むとき、多くの人は「見えている型」に当てはめようとする。
PREPなら「結論→理由→具体→結論」の型、三部構成なら「序論→本論→結論」の型。
テンプレートの流れに沿って文章を並べることが、構成だと思われている。
だが、実際にズレや違和感が生じるのは、型の使い方ではない。
そもそも、型を使う“前段階”が設計されていないことが多いのだ。
読者の知識レベル、抱えている前提、求めている答え。
そうした背景を踏まえずに構成を組んでも、「筋が通っているのに伝わらない」文章になる。
構成の型に入る前に、考えておくべきことがある。
この視点を持つだけで、構成の難しさは一段クリアになる。
最近では、AIがPREPや三部構成に沿って文章を自動生成する場面も増えてきた。
一見すると“それらしい形”にはなるが、それだけでは読者に伝わらないことが多い。
構成における本質的な判断は「どの型を選ぶか」「どこから話を始めるか」「何を省くか」といった文脈や目的、読者の状態に応じた設計によって決まる。
この判断の部分は、今のところ人間にしかできない。
AIにできるのは、あくまで「既知の型に沿った整形」であり「伝わるための設計」は、書き手自身の目と意図に委ねられている。
なぜ構成を理解すると文章が伝わりやすくなるのか
構成とは、型の名前ではない。
「PREPで書いたから伝わる」「三部構成にしたから論理的になる」という話ではない。
文章構成をどう設計するかが、伝わる/伝わらないを分ける要因になる。
では、構成とはいったい何なのか。
それは、構成の型にあてはめることではなく、「伝わる形に整えること」である。
そして、その整え方は、読む側の視点に立たなければ成り立たない。
読む人は、どんな前提を持っているのか。
どのくらいの知識があり、どんな疑問や期待を抱いているのか。
その状態に応じて「どこから話を始め」「何を、どこまで見せるか」は変わってくる。
構成とは、伝える側の論理を押しつけるのではなく、受け取る側の理解に合わせて“道すじ”を整える行為である。
この視点が抜け落ちている限り、いくら型に沿っても、読者には届かない。
型を学ぶ前に「構成の意味」を押さえることが重要
ここまで見てきたように「PREPで書けばOK」「三部構成にすれば論理的」といった考え方は、構成のごく表面的な一部にすぎない。
では、「伝わる構成」にするには、どう整えていけばよいのか。
どこに着目し、どのような視点から構成を組み立てればよいのか。
本講座では、構成を「型」から解きほぐし、“伝え方の設計”として捉え直す視点を提示していく。
- そもそも、構成とはどういうものなのか
- なぜ、同じ型でも「伝わる/伝わらない」の差が生まれるのか
- 読者に届く構成を、どう整えていけばよいのか
──その答えは「構成の中にある、ある共通項」にある。
この講座では、それをひも解いていく。
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文章構成の基本から応用まで、全シリーズをまとめてあります。
PREP法・三部構成・PASONAの法則など、自分に必要なテーマだけ選んで読めるようになっています。