コラム63 日本の未来

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 私の親世代はバブル崩壊直前40代から50代の働き盛りでした。日本の高度成長を支え、「24時間戦えますか?🎵」のCMでお馴染みの、イケイケどんどんの世代です。稼いでは諸外国にお金を貸し、世界最大の債権国となりました。土地を買えば値上がり、株を買えば爆益、お金を単に銀行に預けていても年利3−5%の金利がついた時代です。しかし、バブルが弾けました。日経平均は40000円目前から、一気に8000円前後まで急落し、土地の値段が下がり、極端なデフレ時代がやってきました。株や土地を持っていた人は大損し、銀行に金利0%で預けていても、デフレの影響で資産価値が目減りしない時代がそこから30年続いたのです。ようやく昨今30年間続いたデフレを脱却し、今やNISAなどで国が株式投資を推進するような時代がやってきましたが、70代や80代の人々にはどのように写っているのでしょうか? 
 今から5年ほど前私の親に株式投資を勧めた経験があります。私の親は銀行に円資産を貯金し、老後の対策をしてきました。しかし、インフレ対策の必要性や円だけで資産を持つことのリスクがあると考えられたため、株式投資を根気強く勧めたのですが、うまい具合に投資を開始してもらうことができませんでした。あの時投資を少しでも始めていれば今のインフレによる資産価値の減少にも抗えたでしょうし、近年の株価上昇の恩恵を被れたと考えられたため、正直惜しいことをしたなと思ってしまいます。皆さんの中にも親世代に投資を進めて断られた経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか?確かに、日本のバブル崩壊やリーマンショックの際に人生を大きく狂わせてしまった人々を多数見てきた世代です。ちょっと最近株が好調だからって、次のバブル崩壊がやってくる恐怖から、株式投資を嫌厭するのはやむを得ない世代なのかもしれません。ほぼ拒否反応と言っていいほど、投資という言葉を毛嫌いしているような人が多い世代なのかもしれません。
 でも、私は今の70代から80代の日本人にまた株式投資に戻ってきてもらいたいと思っています。なぜなら日本を復活させたいからです。日本復活のためには彼らの株式投資への参入が不可欠であると思っています。人口も多く、豊富な金融資産を銀行に円として持っているのはまさに日本の高度成長を担った現在の70代から80代の方々です。彼らにいつもおんぶに抱っこしてしまうようで申し訳ないですが、もう一度日本復活の足がかりを作ってもらいたいのです。彼らの世代が豊富な資金量で日本の株式に投資を行い、その資金で日本企業が事業投資を積極的に行い、再度強い日本を復活させて欲しいです。
 また、株式投資は彼らの世代にもメリットがあります。現在日本人の平均寿命は80歳を上回ってきており、100歳まで生きる人も珍しくありません。株式投資は70歳から始めても、もしかしたら30年間の投資期間が確保できるかもしれないのです。少しずつでも積み立てて長期間のインデックス投資などであれば一般的には5%程度の複利で運用できることがほとんどと言われています。株式投資は長生きしてしまうことのリスクに対して非常に有効な保険となる可能性が高いと思います。
 まずは自分の親に投資を始めてもらう方法を考えないといけないですね。高齢者はネット証券やアプリ、新しい知識の習得などを苦手とすることが多いですが、まずは腹を割って老後のお金の問題を素直に話し合える関係作りが大切なのだと思います。少しずつでも70代80代の日本人が株式投資の機会を持てるように、私の世代はうまくサポートしていく必要があるのだと思います。

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