循環器内科医の性質

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 私の知る限り、循環器内科はせっかちな人が多いです。それは40代から上の循環器内科。なぜかというと、心筋梗塞のカテーテル治療が世に出回り始めた時期に医者になったからだと考察しています。1990年代くらいまでは心筋梗塞は入院して安静、薬物治療が基本でした。病院にたどり着く前に3分の1のかたが亡くなり、入院してもさらにその3分の1の患者さんが不整脈や心不全で亡くなる。心筋梗塞はとても恐ろしい病気でした。2000年代になるとカテーテル治療が可能になりました。患者さんが来院後、24時間365日いつでも緊急カテーテル治療が可能な施設が増え、循環器内科医もそれに対応するよう当直、オンコール体制を充実させました。一般市民への啓蒙も進み、胸部症状は早期に救急受診することにも理解が進んだため、より一層循環器内科は夜中の仕事も増えました。私が循環器医になった以降、心筋梗塞は入院してもおそらく95%以上の患者さんが元気に歩いて退院する印象の疾患になりました。何が言いたかったかというと、そういった24時間体制のカテーテル治療に魅力ややりがいを感じた研修医が循環器内科医になっていったわけで、結果的にせっかちな人(パッとすぐに患者さんの治療をすることに魅力を感じる人)がその年代の循環器内科に多いわけです。
しかし、最近の若い循環器内科医は少しゆっくり人が多くなってきています。それは、心房細動に対するカテーテルアブレーションや弁膜症に対するカテーテル治療など戦略を十分に練って、準備を重ねてから行う手技が増えているからだと思います。心筋梗塞に対する緊急治療だけでなく、そういった分野が増えていっている為、循環器内科医になる研修医の性格のバリエーションも増えていっているのでしょうか。

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