外来での戦争の話。

記事
コラム
 私は外来で患者さんの戦時中の話を伺うことがよくあります。2022年現在戦後77年経過しており、戦争の記憶がある患者さんは若くても90歳近くなっております。今まで様々な戦時中の体験をききました。例えば沖縄に派遣され、あと1日戦争が長引けば零戦で特攻していたであろう方や、東京大空襲の中防空壕で不安な時を過ごした方、疎開をした方、お父様が戦争で犠牲になった方などの話をお聞きしますが、やはり本物の体験談というのはとても貴重で生々しく心に響くものが常にあります。すでに現時点で戦後77年なので、戦時中大人だった方の話を聞くことはだんだんなくなってきて、幼少期の戦争の恐ろしい記憶が残っている方々の話を聞くことが多くなってきました。
 私が患者さんの戦時中の話を伺うのは、外来でのコミュニケーションの一環でもありますが、戦争の記憶を有する日本人がだんだん少なくなってきていることを危惧するからでもあります。戦争の悲惨な記憶は次の世代にも受け継がなければいけないと常々考えています。戦争の記憶をじかに聞ける時間は徐々に限られているのです。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す