ウナギを食べられない居酒屋の女将

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馴染みのある居酒屋の中でも、特に美味しい肴を出してくれる店があります。少し料金が嵩むので、なかなか立ち寄ることはできないのが実態です。

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そこではスッポン料理、シシャモの刺身など、他の店では出会うことが少ないものを季節に合わせて用意しており、夏場にはウナギを食べることができます。
水槽で泳いでいるウナギを睨むと、ウナギが暴れて傷がつくといい女将さんに叱られます。私は、かば焼きと白焼きとに分けていただいています。骨もキモも料理してくれます。私の夏の楽しみのひとつです。

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先日、からっぽの水槽を眺めていると「ウナギは半年待ってね」と女将さんから声を掛けられました。それを聞いていた隣の客が「ウナギもあるのかい」と女将に尋ねました。
女将さんは「夏場には用意しています。美味しいですよ。でも私は食べたことないんです」と笑いました。私は「えぇ~食べたことないんかぁい」とびっくり仰天の声を出してしまいました。

隣の客が「そんなものですよ。先日、農協の理事長と話していたら、彼は野菜が嫌いだというのです。いくらなんでも、それはダメだろうと笑ってしまいました」と言いました。

絶句です。世の中には、不思議なことがあるものだと感じ、酒を飲みながら考えてみました。
好きなことを仕事にできる訳でもないし、好きなことと得意なことは別だったりします。
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昨日は、トロとニシン、ツブの刺身、そして冷酒をいただいていました。女将が私の近くにきて「ツブも食べられないのよ」と言いました。
何を得意気に話しているのやら。私の中で、この店のイメージが崩れていきそうです。

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