こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
令和6年4月1日から相続登記が義務化されたことを受けて、司法書士への相続登記の依頼が増加しています。
私自身も、相続登記のご相談・ご依頼を受ける機会が明らかに多くなっています。
◆司法書士にも「得意分野」がある
ところで、「司法書士であれば誰でも相続登記に精通している」かといえば、必ずしもそうではありません。
これは医師の世界とよく似ています。
医師には外科・内科・精神科など、それぞれ専門分野がありますよね。
同様に、司法書士にも各々の得意分野があります。
例えば、債務整理を中心に業務を行ってきた司法書士の場合、不動産登記や商業登記・相続登記については経験が乏しい場合があります。
◆税金まで考慮していない相続登記も少なくない
さらに注意すべき点として、相続登記を手掛けている司法書士であっても、相続税や譲渡所得税のことまで考慮せずに登記をしているケースが散見されるという現実があります。
私は税理士や不動産業者とも連携しながら業務を行っていますが、他の司法書士が相続登記をした不動産を売却する段階になって、「なぜこの人の名義に相続登記をしたのだろうか」と疑問に思うことがあります。
以下、父母が父名義の実家に2人で住んでいて、父が亡くなったという具体例で説明します。
なお、父母の子として息子が1人いるというケースです。
◆具体例:名義の違いで税金が大きく変わるケース
① 居住用不動産の3,000万円控除とは
被相続人(亡くなった人)が住んでいた居住用不動産を売却する場合、売却益が3,000万円まで譲渡所得税が非課税になるという特例があります。
② 息子名義に相続登記した場合
• 母親が高齢のため、将来の手間を省く目的で息子名義に相続登記
• 息子はすでに独立し、別に自宅あり
• 数年後に母親が死亡
• 息子は実家に戻る予定がなく、実家を売却
• 売却価格が購入時より高く、売却益が発生
この場合、息子が居住していた不動産ではないため、3,000万円控除は使えず、譲渡所得税が発生します。
ケースによっては、多額の税金を納める結果になることもあります。
③ 母親名義に相続登記していた場合
一方、実家を息子名義ではなく母親名義に相続登記していた場合は、
• 母親が居住していた不動産を売却したことになり
• 居住用不動産の3,000万円控除の特例が適用可能
👉 売却益が3,000万円を超えるケースは稀なため、譲渡所得税を納めなければならないケースも稀という結果になります。
◆相続登記は「登記だけ」では終わらない
以上は一例にすぎませんが、相続登記にあたっては、相続税や譲渡所得税といった税金面まで考慮すべきケースが少なくありません。
◆司法書士に依頼する際の重要なポイント
相続登記を検討されている方も多いと思いますが、司法書士に依頼する際には、
✔ 税金面まで視野に入れて相続登記をしてくれるか
✔ 必要に応じて税理士や不動産業者と連携できるか
といった点に注意していただきたいと思います。