こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
相続人が1人もいない場合、亡くなった人が遺した財産は最終的に国庫に帰属する(国のものになる)ことがあります。
1. 相続人不存在となるケース
・当初から相続人がいない場合(天涯孤独)
・相続人全員が相続放棄した場合
このような場合、「利害関係人」が家庭裁判所に 「相続財産清算人選任の申立て」 を行うことができます。
「利害関係人」とは次のような人です。
・被相続人にお金を貸している人
・未納賃料を請求できる人
・被相続人の財産を事実上管理している人
なお、相続放棄をした人も利害関係人に該当し得ます。
2. 相続放棄をした者による遺産管理
相続放棄した者はもはや相続人ではないため、被相続人の遺産を管理する義務を負わないのが原則です。
ただし、相続放棄時に相続財産を現に占有していた相続人は、相続財産清算人が選任されるまで、自分の財産を扱うのと同じ注意を払って遺産を管理しなければなりません。
例えば、資産価値がない築古の家に被相続人と同居していた場合、相続放棄しても、家が倒壊して近隣に被害を与えないように、相続財産清算人が決まるまで管理責任を負います。
3. 相続財産清算人の選任と予納金
相続財産清算人には多くの場合、弁護士や司法書士などの法律専門職が選任されます。
被相続人の遺産の中に現金・預金が少ない場合、申立人は 50万円以上の予納金 を家庭裁判所に納めねばならないことがあります。
4. 官報公告と相続人不存在の確定
相続財産清算人は官報公告を 計3回 行ないます。
1回目公告:相続財産清算人選任公告(選任決定を官報で告知)
2回目公告:債権申出の催告公告(2か月以上の申出期間)
3回目公告:相続人捜索公告(10か月以上の期間)
3回目の公告期間満了までに名乗り出る相続人がいなければ、相続人不存在が確定します。
5. 特別縁故者への財産分与
「特別縁故者」は、相続人不存在が確定した日から3か月以内に、「遺産を与えて欲しい」旨の申立てを家庭裁判所に対してすることができます。
「特別縁故者」とは次のような人です。
・被相続人の内縁の妻
・被相続人の親友で、療養や看護に尽力した人
特別縁故者の申立てがあった場合、家庭裁判所が財産分与の有無と割合を判断します。
過去の裁判例では、被相続人への寄与が大きい場合、遺産の 1/3〜1/2 が分与されるケースが多くなっています。
6. 残余財産の国庫帰属
特別縁故者がいない場合や、特別縁故者に分与されなかった財産は 国庫に帰属することになります。
相続人がいない人が財産を国に取られたくない場合は、遺言を作成しておく必要があるといえます。