「せっかくいい話をしたのに、音が小さいと言われた」
「BGMと声のバランス、結局正解がわからない」
そんな悩みを持ったことはありませんか?
今回のニュースは、まさにその「音量の正解」を自動で導き出してくれるツールの話題です。
ただ、便利な道具が増えるということは、逆に言えば「音が悪いことの言い訳ができなくなる」ということでもあります。このツールを、あなたの制作フローに組み込むべきか、それとも今のままでいいのか。一緒に考えていきましょう。
取り上げたニュース
オトナル、音声CMのための音量バランス調整ツール「Loudy」を提供開始・株式会社オトナル プレスリリース・2026年1月7日
音声ファイルをアップロードするだけで、国際標準規格(ITU-R BS.1770)に基づいた適切な音量(ラウドネス)へ自動調整してくれるWebサービス『Loudy』が公開されました。
Spotify、Apple Podcast、Amazon Music、radikoなど、配信先ごとの異なる規格に合わせて一括で最適化が可能。
処理はブラウザ内で完結し、サーバーに音声データが送信されないため、未公開情報を含む社内用音源などでも安心して利用可能。
このニュースをどう見るか?
これまで「ラウドネス(人間が感じる音の大きさ)」の管理は、DAW(編集ソフト)を使いこなすエンジニアや、専門知識を持つ配信者の作業でした。
しかし、このツールはそれを「ファイルを放り込むだけ」の作業に変えました。これは、「音量バランスが整っていることは、もはや差別化要因ではなく、当たり前のマナーになる」という変化を示唆しています。
本来は広告(CM)入稿用のツールですが、ポッドキャスト市場全体において「聴きやすい音量」の基準が、より厳格になっていく流れの一端です。
一見、広告担当者向けのニュースに見えますが、実は個人クリエイターや企業の広報担当者にこそ恩恵があります。
「編集疲れ」からの解放
「波形編集ソフトでコンプレッサーやリミッターの設定に悩み、結局よくわからずアップロードしている」という場合、この工程を『Loudy』に任せることで、悩む時間をゼロにできます。
プラットフォームごとの最適化
「Spotifyではちょうどいいけど、Apple Podcastだと音が小さい」という現象を防げます。特に、複数の場所に配信している場合、それぞれの基準値を知らなくても最適化できるのは大きなメリットです。
信頼性の向上
エピソードごとに音量がバラバラだと、リスナーはボリュームボタンを触るストレスを感じ、離脱につながります。音量を一定に保つことは、「リスナーの耳へのホスピタリティ」であり、番組の信頼感に直結します。
判断のヒント!
では、あなたは今すぐこのツールを使うべきでしょうか?
✅ 今すぐ使うべき人
編集ソフトの「音圧設定」に自信がない人
コンプレッサーやリミッターの意味が曖昧なら、無理にいじるよりこのツールを通した方が確実に「聴きやすい音」になります。
収録環境が毎回変わり、音量が安定しない人
ゲスト収録や出先での収録が多い場合、最終的な仕上げとして通すことで統一感が出せます。
社内確認などで、素早く音源を共有したいビジネスパーソン
セキュリティが担保されているため、編集スタッフに投げる前の「とりあえず聴ける状態にする」作業として最適です。
❌ やらなくていいこと
「ラウドネス値(LUFS)」の数値を必死に勉強すること
もちろん知っているに越したことはありませんが、配信が目的であれば、専門的な数値の勉強に時間を割くより、このツールに任せて「中身(企画・トーク)」を作る時間にリソースを全振りしてください。
ノイズ除去や音質補正を求めている人
これはあくまで「音量」を整えるツールです。「サーッ」というノイズや、部屋の反響音(リバーブ)を消す魔法ではありません。それらは事前の編集が必要です。
すでにマスタリングソフトでフローが確立している人
既存の高品質なプラグインを使えているなら、乗り換える必要はありません。ご自身の耳と設定を信じてください。
いいマイクを買うことよりも、実は「適切な音量で届けること」のほうが、リスナーにとっては親切な場合があります。『Loudy』は、その「親切」を誰でも無料で実践できるツールの1つです。
まずは一度、過去の自分の音源を通してみてください。「あれ、私の声、こんなに聴きやすくなるの?」と驚くかもしれません。技術的なハードルは、ツールに任せて下げていく。浮いたエネルギーで、あなたにしか語れない言葉を磨いていきましょう。
【編集後記】
業界のトレンドを知ることは大切ですが、一番大切なのはそれを「あなたの言葉」に変えていくことです。
「このニュースを自分の番組にどう取り入れればいい?」「もっと戦略的に番組を作りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
Office Scene8では、あなたの「伝えたい想い」がより多くの人に届くよう、番組作りのお手伝いをしています。
執筆・監修
でんすけ|ポッドキャスト先生(Office Scene8 代表)
大阪出身、40歳。テレビ局・レコーディングスタジオ、ラジオ局で番組ディレクター兼エンジニアとして番組づくりに携わり、企画から制作、収録、編集まで一貫して経験。これまでに100名以上のパーソナリティをサポートしてきました。
業界のニュースやトレンドをそのまま追うのではなく、その人の立場やフェーズを前提に、「今、何に時間とリソースを使うべきか」を整理し、一緒に考えることを大切にしています。
【主な実績】
Apple Podcast マネジメント部門1位/ビジネス部門3位
DLsite ボイス・ASMR部門1位/総合2位
Voicy 企業部門1位/フォロワー11.2万人
近畿コミュニティ放送 番組賞・パーソナリティー賞 W受賞
ラジオドラマ、CM、ASMR制作など業界歴15年以上
【安心サポート】
技術面だけでなく、「配信を楽しみながら継続する」ための判断や選択を重視。メンタルコーチおよびコーチングの有資格者として、配信者一人ひとりの不安や迷いに寄り添い、状況に応じた伴走を行っています。
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