最近、YouTubeでポッドキャストを視聴&配信する人が増えましたよね?
今やYouTubeは、米国でポッドキャスト視聴に最も利用されるプラットフォームとしてトップです。
私のところにも「やっぱり音声だけではなく、動画にしないと伸びないですよね?」という相談が、毎回きています。
確かに、動画プラットフォームの影響力は無視できません。でも、ちょっと立ち止まって考えてほしいんです。あなたのリスナーは本当に"見たい"と思っているのか、それとも"聴きたい"だけなのか——。
今日紹介するのは、米国のキュムラス・メディアとSignal Hill Insightsが2025年11月17日に発表した最新レポート。
ポッドキャスト利用者の92%は音声のみで番組を楽しんでいて、動画視聴はわずか8%という結果が出ました。
ビデオポッドキャスト全盛と言われる今でも、リスナーの行動はあまり変わっていない——この事実、音声配信を続けるあなたにとって、実はすごく励みになる話だと思うんです。
まず、このレポートのポイントを整理しますね。
米キュムラス・メディアとSignal Hill Insightsの最新レポートによれば、ポッドキャスト利用者の92%は主に音声だけで番組を楽しんでおり、動画で“見る”層は8%に過ぎないことが分かりました。YouTube経由でポッドキャストを聴く人の過半数も、同じ番組を他の音声プラットフォームでも聴取しており、近年話題のビデオポッドキャスト隆盛でもリスナーの視聴行動割合自体は大きく変化していないと伝えています。2025年11月17日 Cumulus Media
ポイント①:92%は「聴く」スタイルを選んでいる
調査では、ポッドキャストを利用している人のうち92%が「音声だけで聴いている」と回答。「動画として見ている」と答えたのは8%に過ぎませんでした。…これ、意外じゃないですか? YouTubeでポッドキャストが盛り上がっているニュースをよく見るので、「もう動画が主流なのかな」と思いがちですが、実際のリスナー行動は違っていたわけですね。
ポイント②:YouTubeで聴く人も、他の音声プラットフォームを併用している
さらに興味深いのは、YouTube経由でポッドキャストを聴いている人の過半数が、同じ番組を他の音声プラットフォーム(Apple PodcastsやSpotifyなど)でも聴いているという点。つまり、「YouTubeだから動画を見ている」わけではなく、「YouTube ”でも” 音声として聴いている」人が多いということです。
ポイント③:ビデオポッドキャストが増えても、視聴行動の本質は変わっていない
近年、配信者側は動画対応を急速に進めていますが、リスナー側の行動パターン——「ながら聴き」「耳だけで楽しむ」というスタイル——は大きく変化していない、とレポートは指摘しています。つまり、ポッドキャストの強みである"聴く"という体験の価値は、まだまだ健在なんです。
このニュース、私は音声編集者として10年以上この業界にいますが、正直ホッとしました。ここ最近、クライアントさんから「動画にしないとダメですかね?」という不安の声を本当によく聞くんですよね。
でも、リスナーの9割以上が音声だけで楽しんでいるという事実は、音声そのものの価値がまだまだ強いことの証明だと思います。
「見られていない」ではなく、「耳が選ばれている」
動画にしたからといって、リスナーが画面を見るとは限りません。YouTubeでも画面を開いているだけで、実際は"音だけ"で聴かれているケースがほとんどかもしれませんよね?Youtubeで、BGMやASMRなどの動画の再生数が伸びているのはこの傾向ではないでしょうか。
これは動画の失敗ではなく、リスナーが自分のライフスタイルに合わせて、最も便利な形でコンテンツを楽しんでいる証拠です。重要なのは、映像よりもリスナーが楽しめるコンテンツの中身なのです。
動画化するなら、"聴く体験"を壊さないことが大事
もちろん、動画展開が悪いわけではありません。ただ、音声コンテンツとしての良さを犠牲にしてまで、無理に"見せよう"とする必要はない、というのが私の考えです。
音声だけでも十分伝わる構成・話し方・編集ができているなら、それは動画にしても強みになります。逆に、「動画映えしなきゃ」と焦って、カメラを意識したり、トークの間を変えてしまうと、むしろリスナーが離れることもあります。このあたりのニュアンスは、AIではなく人の耳で判断することがとても大切ですね。
では、この調査結果を踏まえて、今日からできることを整理しますね。どれか1つでもやってみると、自分の番組への見方が少し変わると思います。
① 自分の番組は「音だけで完結しているか」をチェックする
動画を意識しすぎて、「ここ、映像を見ないと分からないよね」という説明が増えていませんか?音だけで聴いても話が追えるか、一度自分の配信を"画面を見ずに"聴いてみてください。これをやると、編集の優先順位も明確になりますし、外注するときにも「ここは音だけで伝わるように」と具体的に指示しやすくなります。
② 動画展開するなら、「音声ファースト」で設計する
もし動画化を考えているなら、まず音声として完成度を高めてから、それに映像を"添える"順番がおすすめです。静止画1枚でも、音がしっかりしていれば十分聴かれます。これなら、編集コストも抑えられますし、「動画にしたけど誰も見てない…」という虚無感も減ります。
③ リスナーに「どう聴いているか」を聞いてみる
アンケートやSNSで、「音だけ派?動画で見る派?」と軽く聞いてみるのもアリです。意外と「音だけで聴いてます」という声が多くて、安心するかもしれません。リスナーとの対話は、方向性に迷ったときの一番の道しるしになります。
どれも、今日からすぐ試せることばかりです。1つでもやってみると、「あ、無理に動画にしなくても大丈夫かも」と気持ちが変化するかもしれませんよ。
今回のレポートが教えてくれたのは、「ポッドキャストは、やっぱり"聴く"メディアなんだ」という、シンプルだけど大事な事実です。
動画プラットフォームの台頭は事実ですが、それは音声の価値を否定するものではなく、むしろ音声の強みを再確認する機会だと私は思います。
リスナーの9割以上が音声だけで楽しんでいるなら、配信者としてやるべきことは、まず"耳だけで伝わる体験"を磨くことじゃないでしょうか。
もちろん、動画展開も選択肢の一つです。ただ、それは「音声がしっかりしている」という土台があってこそ。焦って形だけ動画にするより、音声コンテンツとしての芯を太くしていくほうが、結果的にリスナーに長く愛される番組になり、伸びる番組の必須条件だと思っています。
もし、「自分の番組、音だけで本当に伝わってるのかな?」「動画にすべきか迷ってる…」と悩んでいるなら、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
私は音声配信コンサルタント・編集者として、こうした番組の方向性の相談や、"音声ファースト"での編集・構成設計を普段からお手伝いしています。
・音声だけで完結する構成にしたいけど、どう直せばいいか分からない
・編集を外注したいけど、何を伝えればいいか整理できていない
・動画展開も視野に入れたいけど、まず音声を固めたい
こんな相談、大歓迎です。「ちゃんと依頼しなきゃ」と身構えなくて大丈夫。まずは「こんな状況なんですが…」と一言もらえるだけでも、一緒に整理していけます。無理のないペースで番組を育てていきましょう。
配信を長く続けるためのヒントや、業界の最新動向を現場目線でお届けしています。「次の配信で試してみよう」と思えるヒントを見逃さないよう、ぜひフォローをお願いします。それではまた!
執筆・監修
でんすけ|ポッドキャスト先生
(Office Scene8 代表)
大阪出身、30代後半。テレビ局・レコーディングスタジオでの技術職を経て、ラジオ局にて番組ディレクター兼エンジニアとして従事。企画・制作・収録・編集の全工程を担当し、のべ100名以上のパーソナリティをサポートしてきました。現在はOffice Scene8を立ち上げ、音声配信の個別サポートやコンサルティングを行っています。
【主な実績】
Apple Podcast ランキング上位獲得
マネジメント 1位 / ビジネス 3位 / 子育て 4位
総合ランキング 38位
DLsite:ボイス/ASMR 1位、総合 2位
Voicy:フォロワー11.1万人チャンネル担当
受賞歴:近畿コミュニティ放送 番組賞・パーソナリティー賞 W受賞
その他、ラジオドラマ、CM、ASMR制作など業界歴15年以上
【メンタルサポート】
技術面だけでなく「配信を楽しみながら継続する」ためのメンタルサポートを重視。メンタルコーチおよびコーチングの有資格者として、配信者の不安や悩みに寄り添います。
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