もはや一人では問題を解決できない時代へ突入した。

記事
学び
知的創造を育むためには、みんなでテーマを持ちよりみんなで対話する。
さまざまな角度から掘り下げる、深める、脳と脳をつなげる。
みんなで、本を持って、町に出てみんなで読むことを勧めたい。

〈本は一人で読むもの〉

と考える人は多いんじゃないかと思う。
なぜ、人々はそう考えるか。そうした考えが人々の中に染み込んでいった背景にあるのは、戦後の高度経済成長だ、

当時は、どのように国を成長させてくか、そのために企業は何をすべきかといった方向性は見えていたわけだから、

皆で話し合って対話を積み重ねて、新しい知的創造をする必要なんてなかった。

そしてこのような状況において、社会が飛躍するために最も必要だったのは、斬新な発想をする人ではなく、決められた方向性に則って着実に業務を遂行できる人だ。

そういう人物が求められてきたからこそ、大学受験も正しい解答を間違いなく答えることを問う試験が出題され続けてきた。

つまり、暗記力が問われているわけだから、一人で本を読んだほうがはるかに効率が良かったわけだ。
しかし状況はガラッと変わってしまった。そのことについてはあなたもよくご存知だろう。

人類はあらゆる分野において壁にぶつかり、進むべき方向性が見えなくなった現代において、問題は複雑化し、一人ではとても答えを見つけ出すことができなくなってしまった。世界はVUCAの時代へ突入した。
このような状況下で問題解決をするとき、私たちに必要なものは何か、
それは高度な知識創造をすること。

すなわちダイバーシティ、異なる考えの人同士が話うことが必要不可欠になるのだ。

そうした場をつくる上で、読書会は最善の手段といっていい。
ひとつの本を紐帯とすることで、良質なコミュニケーションを生み出せるからだ。

ただ人が集まるだけでは効果が薄い。そこに目的がないからだ。
読書会は本を触媒にすることで、参加者の脳を刺激し、さらに参加同士のつながりによって新たな知を生み出すことを可能にするのだ。

神田昌典氏
『都合のいい読書術』より抜粋
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