技術士第二次試験 選択科目Ⅲはどう回答すべき?対策方法は?

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法律・税務・士業全般
この記事では、選択科目Ⅲの試験対策について考えていきます。

選択科目Ⅲは「問題解決能力と課題遂行能力」及び「応用能力」が求められますので、必須科目Ⅰより自身の専門知識を引き出した回答が必要です。



解決策もより具体的なものになるかと思います。(設問が必須科目よりも少ない点もその理由です。)

この記事では、選択科目Ⅲについての私なりの対策を書きたいと思います。

はじめに


当然ながら、まず出題者がどんなことを求めているか知ることから始めます。

設問に素直に答えること以上に、コンピテンシーに相当した内容を書くことが合格への近道でしょう。

「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの

記述式で出題数は2問、600文字用紙3枚以内                          時間は選択科目で3時間30分                                 配点は30点



選択科目Ⅲに必要な能力


選択科目Ⅲに求められることは、問題解決能力、課題遂行能力です。

問題解決能力及び課題遂行能力

技術士会では以下のように表現されています。
概念                                            社会的なニーズや技術の進歩に伴い,社会や技術における様々な状況から,複合的な問題や課題を把握し,社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て,問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力
出題内容
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
評価項目                                          技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,問題解決,評価,コミュニケーションの各項目

引用:技術士会HP 技術士試験の改定内容について

問題解決能力及び課題遂行能力のポイント
複合的な問題や課題を把握すること
多様な視点から調査や分析を行うこと
課題と遂行を論理的かつ合理的に説明すること
問題解決
コンピテンシーである問題解決も同じく記載されています。
・業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
・複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。

引用:技術士会HP 技術士試験の改定内容について

問題解決のポイント

複合的な問題
要因分析
評価
解決策提案
出題内容

出題内容のポイント

様々な問題
選択部門のエンジニアリング問題
解決案提案
それで結局何を書くの?

これまで挙げたポイントを整理すると以下になるかと思います。

複合的な問題や課題→選択科目のエンジニアリング問題→多様な視点からの調査、分析→問題や課題を把握→解決策提案(具体的に)→分析→留意点や工夫点を説明

設問からの流れを読み取ると、上記のような解答が選択科目Ⅲでは求められているのではないでしょうか。






実際の問題で考えてみよう


無機化学及びセラミックスの化学作業分野を含め、その技術活動においてノウハウの蓄積と伝承が行われている。このノウハウの蓄積と伝承は、化学産業の発展に不可欠かつ重要である。
(1)これからも化学産業が発展を続けるためのノウハウの蓄積と伝承の課題を、技術者としての立場で多面的な観点から抽出し、その内容を観点とともに示せ。ただし、具体的なノウハウのの記述を必ずしも問うものではない。
(2)抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げて、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に関連して新たに生じうるリスクとその対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

引用:技術士会HP 過去問題 化学部門 令和2年

この問題はいつ、どの部門で出題されてもおかしくないと思います。
化学部門、無機化学及びセラミックスに問わず、あらゆる産業部門における課題ではないでしょうか。
その分、一般的な回答も得られやすいですが、専門的な回答を行うのが非常に難しい問題です。

構成
構成は設問3つに対して、1枚ずつが基本路線です。
設問1 課題を抽出する
選択部門が持つエンジニアリング課題を提案します。
つまりここは自分の専門(業務)の課題を抽出する形でも大丈夫です。設問1の前に製品名や技術内容を触れてその課題を抽出するという前置きをする形もよいと思います。
問題文章にすでに指定する事という表現しているケースもあります。
課題の抽出方法は基本的な考えとしては変化ないです。
観点を述べよとありますが、課題が〇〇である。それは△△の観点であると素直に書いて問題ないです。

法規制による伝承方法見直し、設備更新や新設による伝承方法、技能(ノウハウ)の伝承方法など大きな課題として抽出されるでしょう。
一方、詳しく見ていくと化学部門独自の課題もあるので、それを整理して抽出することになります。
例えばセラミックスの作成は、季節変動による影響、開発者独自の作製ノウハウなど、図面などに落としにくい項目もあるので、その点が課題になってくるでしょう。

設問2 重要な課題を選び、解決策を示す

次に重要な項目を選定します。
必須科目と異なる点として分析せよという設問がないため、この設問で重要な課題の選択とその理由を簡単に説明しましょう。
次に解決策を示します。
設問次第ですが、ここでは3つ示せという条件があるため、設問通りに解決策を示しましょう。
選択科目Ⅲの場合は、必須科目と異なり、手法を提案します。
・必須科目Ⅰの解決策:方法(Method)を提案
・選択科目Ⅲの解決策:手法(Technique)を提案
→選択科目Ⅲの方がより具体的な解決案(つまり選択科目の専門性)を提案します
手法になるので、もしかしたら実業務で実際に活用している解決策を提案することになるかもしれません。
いずれにしても現状、目標、ギャップの点からの解決策の提案が分かりやすいと思います。

【流れのイメージ】

従来:セラミックス材料はトライ&エラーによる設計のため技術が蓄積されにくい
目標:数値化されて技術が誰にでも理解できる形で残す
解決策:計算ツールによる原理原則を踏まえた数値による設計根拠を記録する
具体的:SIMソフトやマテリアルズインフォマティクスなど…
リスク:実際に試験を行うことが低下する可能性があることから基礎的な技術力の低下

私は実際に図書館や会社でこれらの情報を事前に入手していたこともあり、その点も踏まえて解決策に書きました。

このような最新技術を織り込むことも大事ですが、効果(評価)が明確になっていることが大事です。

設問3 懸念事項とその対策

当然ですが、解決策には背反事項が生じます。
その背反事項を専門分野目線で提案することがありますが、ここではある程度専門的な目線でリスクの提案とその対策案を上げることが必要です。
ただし、専門的な対策が記載できない場合は多少一般的なリスクの提案も視野に入れましょう。
私は実際に一部は一般的なリスクと対策を書きました。減点対象になる可能性はありますが、記載しないよりも減点は少ないはずです。

最後に
選択科目に限らずに問題作成者と共感することが大前提(自分本位で書かない)
自分の専門(会社で取り扱う製品、サービス)を前提に書くことで専門性を高める
解決策は手法であり、最近の技術解決策も織り込むことで専門性を高める
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