Q.第二キャリア人材の評価はどうすべきか?

記事
ビジネス・マーケティング

当社には第二キャリアの方が数名いる。

いずれも経験も知見もあり、会社としては「即戦力」として迎えている。
あるとき代表から、こんな話が出た。
「第二キャリアの人たちにも、
きちんと評価制度を作った方がいい気がしている」
最初にこの話を聞いたとき、正直こう思った。
「評価制度、そこまで必要だろうか?」

なぜ代表は"第二キャリアにも評価制度を作りたい"と言い出したのか

私は代表に聞いてみた。
「第二キャリアの方に、何を期待していますか?」
代表は即答できなかった。
「うーん…即戦力として、経験を活かしてほしい」
「では、経験を活かすとは、具体的にどういう状態ですか?」
「…それが言語化できないんだよね」
ここで私は気づいた。
評価制度が必要なのではなく、
「何を期待しているのか」を言語化する必要があるんだ。
そこで、代表に次の質問をした。
「Aさんに期待していることを、3つ挙げてください。
ただし、『経験を活かす』のような抽象的な表現ではなく、
『〇〇ができている状態』という形で」
代表は少し考えて、こう答えた。
「担当業務を、自分で設計して回せている状態」
「新しい問題が起きたとき、経験から判断できる状態」
「その判断を、他のメンバーにも展開できる状態」
「ありがとうございます。それが評価基準になります」
ここから、評価シートの設計が一気に進んだ。

そもそも評価制度を作らず、個別対応ではダメなのか

次に浮かんだのは、この問いだった。

期待していることを口頭で伝える
個別にフィードバックする
必要なら注意する

それで足りないのか?
結論から言うと、短期的には回る。
ただ、それは完全に「人に依存した運用」になる。

代表や管理者の言語化力に左右される
言い方や温度感が人によって変わる
評価が積み上がらず、都度判断になる

結果として、

報いたい人を、どう報えばいいか分からない
判断が感覚論になっていく

という状態になる。
ここで初めて、
何かしら"型"はあった方がいいかもしれない
という考えに私もなった。

では、一般職員向けの評価制度を使えないのか?

次に考えたのは、もっとも自然な選択肢。

・行動評価
・成果評価
・定性・定量
・目標管理

すでに一般職員向けに使っている評価制度を、
そのまま当てはめられないか?
一瞬、合理的に見える。
でも、ここで違和感が出てきた。

なぜ一般職員の評価制度はワークしないと感じたのか

一般職員向けの評価シートを、第二キャリアの方に当てはめてみた。
項目は「成長性」「プロセス評価」「将来期待」など。
そこで、実際に一人の方を評価してみた。
すると、手が止まった。
「成長性」の欄に何を書けばいい?
すでに十分な経験がある人に、何を期待して「成長」と評価するのか?
「プロセス評価」も同じだった。
この人は結果を出すためのプロセスをすでに知っている。
むしろ、そのプロセスを会社に持ち込んでもらうために採用した。
つまり、
「成長を測る」前提の評価制度は、
「すでに成熟している」人には使えない。
ここで初めて気づいた。
評価制度は分けないと、機能しない。

では、第二キャリア向けに"簡易版"を作ればいいのでは?

次に取ったのは、かなり素直な一手だった。
・項目を絞る
・5段階評価から3段階評価(A/B/C)に絞る
・シンプルにする

実際に形にはなった。
評価シートとしては成立している。
でも、いざテストで評価をしてみると手が止まる。

・AとBの差が説明しづらい
・評価者によって判断がズレそう
・これで賞与判断をしたくない

悪くはない。
でも、このまま進めるのは怖い。
この違和感を分解していくことにした。

違和感の正体は「評価基準」にあった

「違和感がある」と言っても、何が問題なのか分からなかった。
そこで、実際に評価をシミュレーションしてみることにした。
まず、評価者役として代表に評価シートを見せた。
「このシートで、Aさんを評価してください」
代表は5分ほど考えて、こう言った。
「Bだと思う。でも、なぜBなのか説明できない」
次に、Aさん本人に見せた。
「これで評価されるとしたら、何を改善すればいいと思いますか?」
Aさんの答えは「分かりません」だった。
ここで分かった。
評価項目は作ったが、評価基準が曖昧だったんだ。
そこで、評価者と本人の両方に「何を基準にA/B/Cを判断するか?」を聞いてみた。
すると、
代表は「期待どおりか、期待を超えたか」で判断していた。
Aさんは「自分が何を期待されているのか分からない」と答えた。
つまり、評価基準が曖昧なのではなく、
そもそも「期待の定義」が共有されていなかった。
ここが、この評価制度の設計で一番重要なポイントだった。

ここで最終形に辿り着いた理由

ここでようやく、整理がついた。
この評価制度が成立する前提は何か?
答えはシンプルだった。
第二キャリア人材は、
・担当業務が明確
・期待されている役割が明確
・成果物のイメージも明確
だからこそ、
・定性・定量で広く測る必要がない
・「期待どおりか」「期待を超えたか」で評価できる
・評価の基準を言語化した形で縛ることが出来る

この前提があるから、
第二キャリア専用の評価シートが成立する。
若手や一般職員に同じ設計を持っていくと、
逆に荒すぎて使えない。
ここが一番大事なポイントだった。

最終的に落ち着いた評価の考え方

評価は2軸に絞った。

・行動評価:期待された役割どおり動けているか
・成果・貢献評価:専門性を会社の成果に変換できているか

さらに、成果・貢献は分ける。

・業務の設計力:仕事を「業務」として成立させられているか
・再現性・展開可能性:それを他者・他案件に使えるか

ここまで整理して、初めて

評価者が判断できる
本人に次の期待を伝えられる
報いる理由を説明できる状態になった。

この評価制度の狙い

締め付けるためではない。
管理するためでもない。

・能力はある
・でも、使い切れていない
・それを構造で解消する

そのための評価制度。
第二キャリア人材を活かせないのは、
個人の問題ではなく、期待を言語化できていない会社側の問題であることが多いと、生意気にも感じました。
最後に

最後に、一つだけ質問があります。

あなたの会社の第二キャリア人材に、
「何を期待しているか」を3つ、言語化できますか?
もし即答できないなら、
それは評価制度の問題ではなく、
期待の言語化ができていない問題かもしれません。

私が支援するとき、最初にやるのはこの言語化です。
評価制度は、その後に作ります。

もしこの記事を読んで、
「うちも同じ状況かもしれない」と思った方は、
一度30分ほど話してみませんか?
期待を言語化するだけで、
評価制度が要らなくなることもあります。

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