(1)問題
資料1は、「食品ロスを減らすために,私たちにできること」に関する資料である。資料2は,「食品ロスの発生要因」について,生産や流通などにかかわる「事業」(ここでは「事業系」と呼ぶ)と「家庭」(ここでは「家庭系」と呼ぶ)とに分けて示された資料である。資料3は,生産,製造・加工,流通,消費の工程における「食品ロスの現象」について書かれた資料である。
問1 この3つの資料から読み取れる事項をあなたの言葉でまとめなさい。
問2 問1でまとめた事項をベースに食品ロス問題を包括的にとらえた上で,「食品ロスを減らすための「あなた独自のイノベーティブな解決策」を考案し,述べなさい。
※解答用紙には,図表や絵などを用いても構いません。
●資料1-(1) 出典:環境省「フードロスを減らすために私たちにできること
●資料1-(2) 出典:環境省「フードロスを減らすために私たちにできること」
●資料2―(1)
●資料2―(2) 出典:環境省「フードロスを減らすために私たちにできること」
●資料3 出典「消費者庁 フードロス・チャレンジ・プロジェクト」
(2)考え方
問1
食品ロスの現状
・わが国の食品ロスは646万トン。内訳として事業系由来357万トン、家庭系由来289万トンで事業系由来が多いものの約45%が家庭系由来であり、日常生活の工夫で食品ロスの削減ができる。
食品ロスの問題点
・コストの問題。約1世帯6万円相当の食品を捨てている。食品の生産や廃棄にかかるコストを考えれば、食品ロスによる経済的損失は大きい。廃棄にかかる費用は税金でまかなわれているから、食品ロスにかかる家庭のコストは6万円以上に上る。
・食品を廃棄するときに使われる燃料により地球温暖化が進む。
食品ロスの要因
・生産、製造・加工、流通、消費のフードチェーンでの規格外品、返品、売れ残りなどが食品ロスになる。
・外食、家庭双方の食べ残しも食品ロスの大きな要因。
・家庭では直接廃棄(買いすぎ、長持ちしない保存法)、食べ残し、過剰除去が要因、
食品ロスの対策
・日常生活で行うちょっとした配慮や工夫が食品ロスを削減できる。
食品ロスを削減することで得られる恩恵(メリット)
・水資源の確保。
・食料安全保障の改善。
・フードバンク等による貧困層の支援で相対的貧困率の低下。
・肥満を背景とする生活習慣病の罹患率が低下し日本人の健康増進。
・食べ物を大切にする気持ちが起こり、食育にも寄与。
・温室効果ガスの削減。
→資源問題、医療、教育、国際政治、環境問題など多面的に良い影響を及ぼす。
(3)解答例
問1
わが国の食品ロスの現状としては、総量が646万トンで。内訳として事業系由来357万トン、家庭系由来289万トンで事業系由来が多いものの約45%が家庭系由来であり、日常生活の工夫で食品ロスの削減ができる。
食品ロスの問題点としては、コストの問題が挙げられる。年間で約1世帯6万円相当の食品を捨てている。食品の生産や廃棄にかかるコストを考えれば、食品ロスによる経済的損失は大きい。廃棄にかかる費用は税金でまかなわれているから、食品ロスにかかる家庭のコストは6万円以上に上る。食品を廃棄するときに使われる燃料により地球温暖化が進む。
食品ロスの要因としては、生産、製造・加工、流通、消費のフードチェーンでの規格外品、返品、売れ残りなどが食品ロスになる。外食、家庭双方の食べ残しも食品ロスの大きな要因として看過できない。家庭では直接廃棄(買いすぎ、長持ちしない保存法)、食べ残し、過剰除去が要因となっている。
食品ロスの対策としては、日常生活で行うちょっとした配慮や工夫によって食品ロスを削減できる。
問2
フードチェーンの食品ロス削減を目指す解決策を以下に提案する。生産者の在庫調整による食品ロスについて考える。これは需給の不一致に起因するところが大きい。国産品の農産物は気温や日照時間などの気象条件により生育が進み、特に葉物などは生産過剰となる。全量出荷すると価格が下落するために、農家は生産調整を行い廃棄する結果、大量の食品ロスをまねく。このような課題解決のために、POSシステムのビックデータを用いた消費者の需要予測と特に農作物について生産量の予測をAIが行い、需給をマッチングさせる。これにより在庫量の適正化や歩留まりの向上につながるばかりか、将来の売り上げ増加を見越した戦略的な在庫管理をはかることができる。
具体的には、農作物等の食品の需要は主に経済状況と気温や湿度等の天候、店舗のある地域に居住・勤務・在学する消費者の属性が影響する。経済状況については、好況時には嗜好品や高級食品の需要が増え、不況時には価格がより安いものの売り上げが伸びる傾向にある。さらに、インフレ局面では消費者は価格に敏感であり、需要の価格弾力性が高まる。こうした状況を踏まえ、AIが過去に売り上げた農作物のデータ解析を行い、地域ごと・商品ごとに週単位での未来における需要予測を行う。一方、農作物の生産量については、気温や降雨、日照時間、病虫害の発生状況による影響が大きい。農作物ごとに過去10年間のビッグデータを用いてAIが解析し、未来における農産物の生産量を週単位で予測する。このような四測をもとに需要のピーク時に合わせて農産物を収穫できるよう、適正な播種・施肥を行う。ある地域での天候不順等の原因による将来の供給量不足を予測できれば、その時期に合わせて当該地域へ出荷できるよう計画的に農産物の生産を戦略的に行う。
このようなAIによる需要予測はクリスマスケーキやおせち料理、恵方巻などの季節食品に対しても有効である。需要予測をして予めロスの出ない生産量を決定し、予約販売によって完売すれば、小売業における食品ロスをほぼゼロにできる。
このようなAIを実装したスマート農業により農産物の需給をマッチングさせて食品ロスを減らし、コスト削減につながり、適正な在庫管理の徹底化をはかることができる。
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