【基礎編/面接でも使える】結論をどこに書くか

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(1)3つのパターンを使い分ける


結論をどこに書くかについては3つのスタイルがあります


① 尾括(びかつ)型……結論を最後の段落に書く。

3段落構成の「序破急」や4段落構成の「起承転結」がこれにあたります。


② 頭括(とうかつ)型……結論を最初の段落に書く。

 結論を初めに書くことで、読者にわかりやすく伝えられるメリットがあります。面接やプレゼンテーション、ディベートなどに用いると効果的です。


③ 双括(そうかつ)型……結論を最初と最後の段落に書く。


 最初に書いた結論を最後にもう一度、念を押す形で提示します。800字以上の字数で書くときに用いるとよいでしょう。400~600字の指定字数で双括型の文章は、くどい印象を与えるので、お勧めしません。


(2)尾括型の文例


第1段落 地球環境問題が現在、深刻である。

第2段落 この地球の資源は有限であり、豊かな生活はいつまでも続けることには限りがある。

第3段落 1992年にブラジルで開催された環境開発会議では、「持続可能な開発」をスローガンに掲げた。

第4段落 豊かな生活を未来のこどもたちに伝えるために、私たちは地球環境問題に対して積極的に取り組まなければならない。 ⇒ 【結論】

(3)頭括型の文例


第1段落 日本への移民の受け入れに賛成である。  ⇒ 【結論】

第2段落 少子高齢化は進展し、ついには2015年から日本は人口減少に転換している。

第3段落 移民の増加はさまざまな文化摩擦や社会問題を発生させることが予測される。

第4段落 私たちは多文化共生をめざすための努力を惜しんではいけない。


(4)双括型の文例


第1段落 小中学校で道徳を教科に導入することに私は反対である。  ⇒ 【結論①】

第2段落 道徳は予め決められている善悪を児童・生徒に教えることだが、これでは、こども自らが考える力が身につかない。

第3段落 戦前の教育では、道徳にあたる修身の教科が軍国主義に利用された。道徳教育の名を借りて、特定の主義・主張が入り込む危険性がある。マナーやモラルは生徒指導やホームルームで教えることは可能である。

第4段落 私はただ道徳の導入に反対しているのではない。道徳教科を義務教育に導入するのではなく、生徒の批判的精神が育つ高校の授業において、善悪そのものの根拠を問う倫理の教科のなかで、現代社会の抱える問題を自ら考えさせることによって、主体的な知育・徳育を施すことができると考える。  ⇒ 【結論②】

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(5)結論の書き方


①1文で簡潔に書く。



 簡潔な文章のほうが要は読者に伝わるということです。2文以上だと、どこに筆者の重点が置かれているか、視点が散漫になり、わかりにくくなります。


②強い表現で書く。


 「~べきである」「~にちがいない」「~なければならない」など、強調表現を用います。



 受験生の中には、あまり強く言い切ることをためらう人がいます。でも、論拠をはっきりと提示し、結論までの過程でしっかりと論理的に書けていればだいじょうぶです。独善や独断と取られることはありません。


 結論は断定調にきっぱりと言い切ることが大切です。



③「~と思う」という表現は避ける



 特に結論部分で「~と思う」は使ってはいけません。自信がないことを見透かされます。読む方でも、だいじょうぶかな、と不安になります。


 小論文では「~である」「~だ」と堂々と自分の考えを主張してください。「~と思う」ではなく、「~と考える」という表現を使ってください。


④ 結論をどう書いていいのかわからないときには、決意表明で締めくくる



 やはり小論文は結論をどう書いてよいかわからずに、悩む受験生が多いです。


 特に3段落までに自分の言いたいことを言いつくしてしまった場合、苦し紛れに今まで書いた内容をもう一度書く、という答案が目につきます。


 小論文はなるべく重複は避けましょう。


 3段落までで、すべて出し尽くした場合、特に自分の志望学部や志望職種と関連のあるテーマの場合、最終段落では、強く決意表明をして締めてください。




 例えば、以下のような終わり方です。

「私は~のような看護師になって……したい」
 あるいは、そのままズバリ決意という言葉を使ってもいいです。

「私は~のような弁護士になって……することを決意する」

(6)双括型の注意点


 双括型を用いる場合、第1段落と第4段落をほとんど同じ内容の文章にしてはいけません。第1段落と第4段落で表現を変えたり、第4段落で新しい論点を盛り込んだりする工夫が必要となります。


 このような意味で、双括型は最も難しく、小論文に熟達した上級者の取る手法といっていいでしょう。


 初心者は尾括型が頭括型で結論を書くようにしてください。



(7)今回のまとめ


①3つのスタイル


1)尾括(びかつ)型……結論を最後の段落に書く。


2)頭括(とうかつ)型……結論を最初の段落に書く。


3)双括(そうかつ)型……結論を最初と最後の段落に書く。



②結論は1文で簡潔に書く。



③結論は強い表現で書く。



④「~と思う」という表現はなるべく使わない。



⑤決意表明で締めくくる。



受験生のみなさん、小論文に関すること、何でも質問してください。


コメント欄に書いてね。



それでは、がんばってください。

以上、OK小論文塾長、朝田隆(りゅう)でした!
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