(1)段落とは何か
同じ内容で書かれた文章のまとまりを段落といいます。
新しい段落から文章を書き始めるときには、最初のマスを1マス開けて書き始めます。文章の内容を変えるときには、段落も変えます。この場合、新しい段落の最初のマスを1マス開けて書きます。
(2)3段落構成の文章
3段落構成の文章を「序破急」といいます。
第1段落(序)では、基本的には問題提起(主題の提示)をします。
第2段落(破)では、主題を展開します。設問や参考文の内容を分析し、具体例を挙げながら独自の考察を行ないます。
第3段落(急)では、結論を書きます。その際、小論文では必ず理由を添えること。
「序破急」(3段落構成)の文章は、指定字数の少ない文章(400字以内)に適しています。小論文の初心者は初めに「序破急」(3段落構成)で文章が書けるように練習してくさい。
3段落落構成の文章の例を以下に提示します。
<例文1>生活習慣病
1⃣生活習慣病は完治が見込めず、対症療法しか治療法はない。発症してからでは遅い。治療費や看護、介護の負担を未然に無くすには、生活設計によって予防することが望ましい。具体的には食生活の改善、適度な運動、十分な睡眠と休息、ストレスの少ない規則正しい生活を心がけることなどがこれにあたる。
2⃣生活習慣病を発症した場合、食事療法など患者も責任を持って治療に取り組まなければならない。糖尿病や高血圧性疾患などは、重症化する前に食事や運動などの生活設計を改善することで重症化を食い止め、仕事や生活に支障をきたさずに日常を送ることができる。
3⃣ 人はいずれ老いる。老いても快適で豊かな老後の生活をおくり健康寿命を延ばすことが重要だ。そのためには、日頃から生活習慣病の予防のため自己の健康管理を怠らないことが必要である。食事や運動面でのよい習慣を日頃から心がけることで、21世紀の超高齢社会を明るいものにしてゆきたい。(395字)
第1段落(序)では、問題提起として生活習慣病の予防の重要性を掲げています。
第2段落(破)では、主題を発展させて、生活習慣病発症後の患者の取組みについて記しています。
第3段落(急)では、21世紀の超高齢社会を迎えるにあたって、自己の健康管理を徹底することによって生活習慣病の予防を行い、健康寿命を延ばすことを目標にする決意表明を結論にして文章を締めくくっています。その際、「健康寿命を延ばす」が理由にあたります。
☞ポイント
第3段落(急)では、必ず第1段落(序)で提起した主題(この場合は生活習慣病)に戻ること。
(3)4段落構成の文章
段落が4段落構成の文章を「起承転結」といいます。
第1段落(起)では、基本的には問題提起(主題・テーマの提示)を行ないます。
第2段落(承)では、主題を展開します。設問や参考文の内容を分析し、具体例を挙げながら、独自の考察を行ないます。
第3段落(転)では、話題転換を行ないます。端的に言えば、切り口を変えて別の角度からテーマに光をあてるのです。
例えば、以下の内容で転換します。
・異なった観点やより広い視野に立って問題を分析・検討する。
・社会的・歴史的に深く掘り下げた考察をする。
・いったん下した結論に対する反論を述べる。
第4段落(結)では、結論を書きます。その際、小論文では、必ず理由を添えること。
「起承転結」(4段落構成)の文章は、指定字数の多い文章(600字以上)に適しています。
<例文2>
京都三条の糸屋の娘、姉は十六、妹は十四、諸国諸大名は弓矢で殺す、糸屋の娘は目で殺す。
<例文2>は、起承転結を利かせた文章としてよく引用される文章です。江戸時代に頼山陽によって作られたと言われる俗謡です。
(起)京都三条の糸屋の娘………主題の提示
(承)姉は十六、妹は十四………具体例
(転)諸国諸大名は弓矢で殺す…話題転換
(結)糸屋の娘は目で殺す………結論
第1段落(起)では、この文章が「京都三条の糸屋の娘」についてこれから述べる文章の主題が提示されています。
第2段落(承)では、「京都三条の糸屋の娘」の具体例として姉妹の年齢について言及しています。「姉は十六、妹は十四」、つまり姉妹は色気が付き始めた妙齢の娘さんであり、それが以下に述べる伏線であることが暗示されています。
第3段落(転)では、「諸国諸大名は弓矢で殺す」という、糸屋の娘とはまったく関係のない話題に話が変わっています。まさに話題転換です。
第4段落(結)で結論が示されていますが、この文章では、「糸屋の娘は目で殺す」というひねりの効いた強烈なオチでこの文章が締めくくられています。
この結論は、第3段落(転)の「殺す」に引っ掛けて、うまい対比関係になっています。
この有名な俗謡が現代に語り継がれているのは、第3段落の強烈なスパイスが効いていて、第4段落への着地へと見事に決まっているからです。
☞ポイント
第3段落(転)を工夫することが、小論文の成否を分ける。
(4)4段落落構成の小論文の例
<例文3>ドーピング
1⃣ドーピングが無くならない。昨年のリオデジャネイロ五輪女子マラソン金メダリストのケニア人選手が、禁止薬物を使用したとして、ケニアの反ドーピング機関から4年間の資格停止処分を受けた。個人だけではなく、ロシアでは1千人以上もの選手に及び、国家単位で行なわれていることに衝撃を受ける。ドーピングは選手個人ばかりでなく、スポーツそのものの未来に暗い影を落とす。スポーツにかかわる者すべてがこの問題に真摯に向き合わなければならない。
2⃣ドーピングが禁止される理由として第一に選手の健康を害する。これは、健康で文化的な営みであるスポーツの本質に反する。第二にアンフェアである。日夜、練習に打ち込み血の滲むような努力を重ねる選手達が大勢いる一方、薬物という安易な手段で肉体を改造することで好成績を求める姿は、競技の成績に加えて、これに至るプロセスを重視するスポーツの精神を冒涜(ぼうとく)する。最後にスポーツの社会的評価の問題である。ドーピングの不正を犯した選手はたとえ一部であったとしても、国民の視線からは、これを氷山の一角と捉え、潔白である全ての選手に対する疑念を生じさせる。このことは、国民文化にとって欠かせない重要な文化資源であるスポーツの価値を著しく棄損(きそん)することにつながる。
3⃣アンチドーピングとして、以下の提言をしたい。まず、検査を厳重にし、陽性が明らかになった選手に対しては速やかに厳正な処罰を科す。学校教育の現場で、ドーピングのみならず、不正を許さない、不法薬物に手を染めさせないよう教師は徹底的に指導する。スポーツ関係の諸機関も広報活動や研修会などを通してアンチドーピングの啓蒙を行なう。南天のど飴の例に見られるように、規制の基準や内容が変化しているので、選手やコーチなどは、日ごろからアンチドーピングのルールを勉強し、情報収集に努める。
4⃣「公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培」うというスポーツ基本法前文で説かれる理念に則り、世間から注目を集めるスポーツ選手は自ら国民の手本となり、アンチドーピングに献身することでスポーツの明るい未来を創出するべく全力を傾けなければならない。(900字)
第1段落(起)では、この文章が「ドーピング」が個人や国ぐるみで行われていることを憂慮(ゆうりょ)し「スポーツにかかわる者すべてがこの問題に真摯に向き合わなければならない。」とドーピング問題という文章の主題が提示されています。このように、小論文では最初に結論を書く方法も有効です。
第2段落(承)では、「ドーピングが禁止される理由」を書いて、主題を展開しています。
第3段落(転)では、「アンチドーピング」という、ドーピング対策に話題を転換しています。
第4段落(結)でスポーツ基本法前文を引用してスポーツの理念を根拠にアンチドーピングを率先して行うことの必要性を訴えています。この結論は、第1段落でーピング問題に真摯に向き合うという問題提起に対して具体的に答えたものです。
☞ポイント
第4段落(結論)は必ず第1段落の問題提起に答える形で締めくくる。
(5)今回のまとめ
①3段落構成の文章を「序破急」という。
第1段落(序):問題提起(主題の提示)
第2段落(破):主題の展開
第3段落(急):結論(必ず理由を添える)
※注意.第3段落では、必ず第1段落で提起した主題に戻る。
②段落が4段落構成の文章を「起承転結」という。
第1段落(起):問題提起
第2段落(承):主題の展開
(分析、具体例⇒考察)
第3段落(転):話題転換
第4段落(結):結論(必ず理由を添える)
※注意
1)第3段落を工夫することが、小論文の成否を分ける。
2)第4段落は必ず第1段落の問題提起に答える形で締めくくる。
受験生のみなさん、小論文に関すること、何でも質問してください。
コメント欄に書いてね。
それでは、がんばってください。
以上、OK小論文塾長、朝田隆(りゅう)でした!