大切な友達の結婚が決まった時、彼女のウェディングドレスのパターン制作を引き受けたことがあります
ウエディングドレスのブランドには勤めたことがなかったから、いろいろなことが出来て楽しかったですね
どのようなドレスが彼女の夢を叶えるのか、そのイメージを具体化するために、何度も話し合いを重ねたり
デザインの方向性を決める初期段階で、まずは漠然とした「こんな感じ」というイメージの具体化をすることから
例えば生地の質感、シルエットのライン、繊細なレースのあしらいなど、実際に生地見本を触ってもらったりしながら、「これだ!」と思えるものを見つけていく作業だったり
生地の質感一つとっても、滑らかなサテンが良いのか、柔らかなシフォンが良いのか、あるいは光沢のある方がが良いのか
ウエディングドレスといっても、優雅なAライン、華やかなプリンセスライン、洗練されたマーメイドラインといった基本的なシルエットから、ネックラインの形、袖の有無、そして使用する素材の選択に至るまで
ネックラインの形一つをとっても、デコルテを美しく見せるビスチェタイプ、上品なボートネック、クラシカルなハイネックなど、多種多様な選択肢が
袖の有無も同様に、ロングスリーブで清楚に、キャップスリーブで可憐に、あるいは大胆にオフショルダーで、といった具合に、彼女の好みと式のイメージに合わせてひとつづつ決めていきました
そして、繊細なレースのあしらいは、ドレスに物語性を与える重要な要素
どこに、どのくらいの分量で、どんな柄のレースを施すのか
付属のビーズやスパンコールといった装飾の有無やその配置も、細部にわたって入念に
一つ一つの選択が、最終的なドレスの表情になるため、あれこれと言いながら、彼女だけの特別な一着になるように
大切な友達の人生の節目に、自分自身の技術が役に立ったこと、そして何よりも、完成したドレスを彼女が初めて試着した時の、彼女の笑顔を見ることができたのは本当に良かった
もちろん、友達として彼女の晴れ舞台を彩るお手伝いができたことへの感謝の気持ちから、もちろん制作費はいただいていません
友達として、彼女の人生の大きな節目に、私の技術と時間を惜しみなく提供できたことは、何物にも代えがたい経験になりました