ご覧いただきありがとうございます。今回はタイトルにもしている「オトナの学び」…いわゆるアダルトラーニングの概要を確認できる内容をお届けします。
Q:どうしてオトナになってまでも、「学び方」を考えなければならないの?
Q:昔/学校時代までの勉強法と何が違うの?なぜ変わる・変えるの?
こういった疑問・懸念にも、少しおこたえできるものになっていれば幸いです。
では、そもそもこどもとオトナの学び方(学習)の相違点は、どんなところでしょうか?読み進める前に、少し考えてみてください。
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…いかがですか?それでは代表的な特徴をまとめてみます。
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●「こどもの学び方/教師主導型学習」(【Pedagogy)
・学習者は依存的な存在とみなされ、教師側が「どう教えるか」を決める
・オトナの経験が教材となる
・年齢(生物的成熟度)で一律に学習項目が決まる
・”いつか”使う情報を学ぶ教科中心型学習
Just in case.(いつか役立つ)
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○「オトナの教育/自己主導型学習」(Andragogy)
・学習者は自己主導型で学習できると考えられる
・学習者自らの経験を学習のリソースとする
・現実に直面している課題など必要性に応じて学習項目を選ぶ
・今すぐ必要としている情報を学ぶ課題中心型学習
Just in time.(今、役立つもの)
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知識の伝達を軸にした基礎教育から、社会の一員として価値を造る段階になると学び方は、知り得た知識を探求・技能習得にシフトされてきます。ましてや昨今のVUCAといわれる時代、10年前/若手のころに習得した能力の陳腐化・入れ替わりも激しくなっています。だからこそ、継続的な学びとその実践の継続が必要になってきているものと思います。
「成長したい」という強い思いに、内発的に動機づけられたオトナであれば、「教えてもらう」のではなく、「自ら学ぶ」、そのために、世の中のあらゆることを学びのリソースに転化できる成人学習を、学ぶ側・学びを提供する側の双方として認知しておくことの大切さが理解いただけると思います。
オトナの学びに際して、学ぶ側・学びを提供する側の双方で理解しておくべきポイントを整理すると、次のようになります。
○オトナは…
⇒学ぶ必要性を理解しないと学ばない
⇒これまでの経験を活かす
⇒実践的な話し合いの中でより学ぶ
⇒実利的で役立つものに興味がある
以前のコラム(#02)でお伝えした"学びのデザイン(Instructional Design/ID)"のADDIEモデルなども、成人学習にのっとって、はじめて効果が出やすくなります。あなたの学ぶ環境、学びを提供している環境って、どのくらい"成人学習 / Adult Learning"に叶ったものになっていますか?
※参考・引用:
自己主導型学習ガイド(マルカム・S・ノールズ /明石書店)
成人教育の現代的実践―ベダゴジーからアンドラゴジーへ(マルカム・ノールズ/鳳書房)