「強いね」という名の呪い。 ―期待に押し潰されそうな君へ、ある裏方Pより

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コラム

アウトローの遺言_頑張る若者たちへ

グレーな街並みを眺めながら、この文章を読んでいるみなさんへ。

「今日もお疲れさん」

誰も見ていないところで泥を被り、誰にも言えない傷を抱えて、それでも「明日」という得体の知れない戦場に向かおうとしている貴方の背中が見えるようだ。

「企画屋」なんていう、聞こえはいいが実態は得体の知れない裏方を三十年以上やってきた。その間、俺が嫌というほど見てきたのは、光の当たる華やかなステージじゃない。そのステージを支えるために、真っ暗な奈落で歯を食いしばっている連中の姿だ。

自らを「銀狼」と鼓舞し、アウトローな生き方を貫いてきた。それは格好をつけているわけじゃない。そうでもしないと、この現代社会という名の、優しさの皮を被った「魔物」に魂まで食い尽くされてしまうからだ。

今日は、俺のような「裏方」や「孤高」を貫いてきた人間にしか見えない、この世の「闇」と、その先にある「微かな光」について、少しだけ話をさせてください。

1.「強さ」という名の孤独な鎧
貴方は、人から「強いね」とか「あんたなら大丈夫だ」なんて言われてこなかったか?あるいは、幼い頃から常に先頭に立たされ、自分の弱さを押し殺して「正解」を出し続ける役割を押し付けられてこなかったか。

それは、残酷な呪いだ。

世間ってやつは、一度「強い奴」というラベルを貼ると、その人間にも血が通い、夜には震える夜があることを忘れちまう。何をやっても「色眼鏡」で見られ、結果を出せば「当然だ」と言われ、失敗すれば「期待外れだ」と叩かれる。華やかな世のスーパースターたちも、人生寧ろ、その痛みと葛藤に膨大な時間を費やしてきている。世界の17番も、海外取材で初めて吐露していた。

そうして、あんたも「自制」や「耐性」という名の鎧をどんどん厚くしていったはずだ。

家族や伴侶、一番身近な人間にさえ、その鎧を脱いだ姿を見せられなくなる。安らぎの場所であるはずの家でさえ、無意識に「強い自分」を演じてしまう。

俺もそうだった。現場で学び、吸収し、誰にも教わらずに身につけた「強さ」だけが、俺の唯一の存在価値だと思い込んできた。でもな、その鎧は、いつの間にかあんたを温めるものじゃなく、あんた自身の体温を奪う冷たい檻になってはいないだろうか。

2.組織と社会が隠し持つ「闇」の正体
今の社会や組織ってやつを観察してみると、一つ、決定的に欠けているものがある。

それは「想像力と個性の育み」だ。

特に、今の時代は効率や数字、目に見える成果ばかりが追いかけられる。組織という魔物は、個人の熱量を燃料にして走り続けるが、燃料が切れた途端に、その人間を「使えない」と切り捨てる。AIが台頭しそれは今後更に加速していく、誰もが拠り所を見失い忙しなく心理的余裕や安堵すら生め無い。

俺が「地方創生」という現場で見てきたのも、それと同じ闇だ。
口では「人のため」「未来のため」と言いながら、実際には自分の手柄や予算の消化、保身のために動いている公の連中がどれだけいるか。なので何のメディアに取り上げられようと、何の注目を得ようと、それは結局、誰かの「手柄」として利用され、搾取される。

そんな世界に長くいると、人はどうなるか。

「人間不信」になるのは当たり前だ。そして、信じることを諦めた結果、多くの人が「思考停止」という名の避難所に逃げ込む。

「上から言われたから」「これが慣習だから」「前例がないから」
そう言って考えることをやめた連中が、必死に抗っているあんたの足を引っ張る。

「そんなに頑張って何になるの?」

その無責任な一言が、どれだけアナタの心を削ってきたか、俺には身に染みている。やげて目立たず、本音を偽り、やらない理由を優先する、それが30年以上社会でスタンダード化されてきた現実だ。

3.「人間不信」の裏側にある、切実な願い
あんたが今、もし人間不信に陥っているとしたら、それはあんたが「冷たい人間」だからじゃない。

むしろ、その逆だ。

あんたは、誰よりも「人間」というものを信じたかった。誰よりも深く、誠実に人と向き合おうとした。その純粋な熱量が、打算や嘘にまみれた現実とぶつかって、火傷を負っただけなんだ。

「思考停止」している連中を見て、苛立ちや悲しさを感じるのは、あんたがまだ「思考」を捨てていない証拠だ。

絶望できるというのは、まだどこかで希望を求めている証拠なんだ。
裏切られた痛みを知っているあんたは、他人の痛みに誰よりも敏感になれる。

目に見える成果や手柄ばかりを追う連中には一生見えない「本質」——つまり、形にならない真心や、言葉にならない覚悟——を、あんたは既に持っている。

4.砂漠に咲く一輪の花を、忘れないでくれ
俺がこれまで、何度も「もう明日は無い」と思った時、踏みとどまらせてくれたものがある。
それは、立派な実績でも、誰かからの賛辞でもなかった。

仕掛けたプロジェクトに参加した、あの子たちの無言の笑顔だ。

大人の事情や組織の理屈なんて露ほども知らない子供たちや若者たちが、純粋に夢中になり、目を輝かせている。その横で、安堵したように微笑む親御さんたちがいる。

あの光景を見たとき、俺の乾ききった心の砂漠に、一筋の清流が流れたような気がした。

「ああ、俺が戦ってきたのは、この瞬間のためだったんだ」と。

世間は貴方を褒めないかもしれない。
組織はアナタの手柄を横取りするかもしれない。

でもな、あんたが流した汗、削った魂が作った「何か」によって、確実に救われている誰かがいる。その「誰か」は、あんたに感謝の言葉を伝える術を持たないかもしれないけれど、その人生の一ページに君が灯した光は、消えずに残り続ける。

それこそが、目には見えないけれど、この世で最も尊い「価値」なんだ。

5.「お疲れさん」を自分に言う勇気
最後に、アウトロオヤジとして、あんたに一つだけ頼みがある。
今まで、あんたは「頑張る」ことしか知らなかっただろう。

「お疲れさん、長い間よく頑張ったな」
その言葉を、誰かに言ってほしくて、でも言ってもらえなくて、結局は自分で自分を追い込んできた。

今夜だけでいい。
その言葉を、あんた自身に掛けてやってくれないか。

弱音を吐くことは、負けじゃない。
立ち止まることは、終わりじゃない。

それは、次の戦いに向かうための、聖なる儀式だ。
明日が保証されていない。正解なんて誰も教えてくれない。

それでも前に進むしかない俺たちの人生は、確かに「不透明」かもしれない。
でも、その孤高の歩みがあるからこそ、救われる魂がある。

あんたが今日まで生き抜いてきたことは、それだけで奇跡みたいなもんだ。
傷ついたまま、抗い続けている君を、俺は心の底から尊敬する。
もし、また心が折れそうになったら、思い出してくれ。

同じ空の下で、同じように砂漠を歩き、同じように「子供たちの笑顔」を道標にしている、不器用な銀狼がここにもいるってことを。

さあ、俺たちの夜明けはもうすぐだ。
少しだけ肩の力を抜いて、深呼吸して。

また明日、静かに、そして誰よりも熱く、俺たちの流儀を貫こうじゃないか。
あんたの孤独な戦いに、乾杯。

よく頑張ったな。本当によくやってきた。
たまには心身安らいでな。5分だけでもよいから
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あとがき:未来へ共に歩む担い手たちへ
この文章が、今、暗闇の中で足元が見えなくなっている誰かの一条の光になれば、これほど嬉しいことはありません。社会、ビジネス、そして家庭。どんな場所であれ、一歩前に進むあなたの背中は、誰よりも気高く、美しい。
前に進もう。一歩ずつ、自分の歩幅で。
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文:西本 英雄(銀狼)
九州創生K Project 代表・メディアプロデューサー。30年以上のメディア制作・地方創生の現場で「目に見えない本質」を追い続けるアウトロー企画屋。
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