【税理士が解説】個人事業主の交際費は経費になる?税務調査で否認されないためのポイント

【税理士が解説】個人事業主の交際費は経費になる?税務調査で否認されないためのポイント

記事
法律・税務・士業全般

はじめに

個人事業主として事業を行っていると、取引先との会食や打ち合わせなどで交際費が発生することがあります。

一方で、

「個人事業主の交際費に上限はある?」
「税務調査で否認されることはある?」
「領収書だけ保存しておけば大丈夫?」

といった疑問を持たれる方も少なくありません。

今回は、個人事業主の交際費の考え方と、税務調査で注意したいポイントについて解説します。

個人事業主の交際費に明確な上限はない

法人の場合、交際費については税法上の損金算入制限が設けられています。

一方で、個人事業主には法人のような交際費に関する損金算入制限は設けられていません。

そのため、交際費についても原則として「事業に必要な支出であること」が経費になるかどうかの判断基準となります。

ただし、上限がないからといって何でも経費になるわけではありません。

税務調査の際に、事業との関連性などについて説明を求められることもあります。

近年は個人事業主の交際費へのチェックが厳しくなる傾向も

2年前には、プロ野球・巨人の坂本勇人選手の交際費が税務上問題となり、多額の追徴課税を受けたことが大きく報道されました。

詳細については、以下の記事をご覧ください。

また、近年の裁決事例においても、交際費の相手先や利用目的などを十分に説明できなかったことを理由に、必要経費として認められなかったケースが見受けられます。

このような状況を踏まえると、個人事業主の交際費については以前よりも税務署のチェックが厳しくなっている可能性があります。

交際費を経費として計上する場合には、「誰と」「何のために」「どのような関係性で」支出したのかを説明できるよう、日頃から記録を残しておくことが重要です。

税務調査で重要なのは「誰と」「何のために」

交際費が事業に必要な支出であることを説明するためには、少なくとも次の内容を記録しておくことをおすすめします。

●誰と会ったのか
●相手との関係性
●何の目的で会ったのか
●いつ、どこで行ったのか

例えば、
「○○株式会社の担当者と商談
新規案件の打ち合わせのため会食」

といった内容が説明できれば、事業との関連性を示しやすくなります。

逆に、

「誰と行ったか覚えていない」

という状態では、経費としての説明が難しくなる可能性があります。

領収書だけでは不十分な場合も

飲食店の領収書には、

店名
日付
金額
程度しか記載されていません。

そのため、後から見返したときに内容が分からなくなることもあります。

交際費を計上する際は、

領収書の裏面にメモを書く
スケジュール帳に記録する
スマホのメモやカレンダーに残しておく
などの方法で補足情報を残しておくことをおすすめします。

税務調査は数年後に行われることもあるため、当時の記憶だけに頼らない工夫が大切です。

全てを細かく記録する必要はない

交際費について、

「お店を予約した人」
「支払い方法」
「お店を選んだ理由」

などまで細かく記録しなければならないわけではありません。

重要なのは、

その支出が事業のためだったと客観的に説明できること

です。

少なくとも、

相手先
関係性
利用目的
については記録を残しておくと安心でしょう。

最後に

交際費は事業を行う上で必要になることも多い支出ですが、税務調査では内容の説明を求められることがあります。

領収書の保管だけでなく、「誰と」「何のために」支出したのかを記録しておくことが重要です。

特に飲食費を交際費として計上することが多い個人事業主の方は、日頃からひと手間かけて記録を残しておくことで、税務調査への備えにもなります。

「この支出は交際費として経費になる?」と判断に迷われた際は、お気軽にご相談ください。

※記事の内容は、掲載時点の法令等に基づいて作成しています。制度改正等により内容が変更される場合がありますので、最新情報をご確認のうえ、ご自身の判断でご利用ください。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す