【第十一話】やりすぎたのに、何も近づかなかった

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コラム
国会図書館に行きました。
ここまで来れば、
何か一つくらいは掴めると思っていました。


はじめての場所です。
正直なところ、
「一度は使い方を知っておきたい」
という気持ちが大きかったと思います。


検索の仕方。
本の請求。
コピーの申請。


デジタルでは見られない本があること。
本は棚に並んでいなくて、
番号で管理されていること。


一つひとつ、
確かに勉強になりました。


机の上に運ばれてきた本を開き、
ページをめくります。


知らなかった制度。
聞いたことのない言葉。
どこかで見た地名。


情報は、確実に増えていきました。


別の日には、
都立図書館にも足を運びました。


こちらは、
棚に本が並んでいます。


歩きながら、
背表紙を眺めていく。


気になる一冊があれば、
手に取る。


予定していなかった本との
出会いもありました。


書庫から出してもらった本を
机の上で追っていても、
棚に並んだ本の前で
立ち止まっていても。


やっていることは違うのに、
残る感覚は、
どこか似ていました。


調べている。
ちゃんと動いている。


それなのに、
近づいている感じがしない。


名前は、
どこにも出てきません。


探し方が悪いのか。
まだ、量が足りないのか。


それとも、
そもそも、
向かう方向が違うのか。


どちらの図書館でも、
「これは役に立つ」という
断片はいくつも見つかりました。


でも、
探しているものには、
触れていない。


そんな感覚だけが、
静かに残りました。


調べれば分かる。
動けば近づく。


そう思っていた段階は、
もう、過ぎていたのかもしれません。


やり方は、
間違っていないはずでした。


むしろ、
やれることは、
かなりやった方だと思います。


それでも、
核心だけが、
遠ざかっている。


この時、
はっきり分かったことがあります。


「足りない」のではない。
「やりすぎている」のかもしれない。


このまま、
同じ姿勢で調べ続けても、
同じ場所を
回り続けるだけなのではないか。


そんな疑問が、
初めて、
はっきりと立ち上がってきました。


けれど、
では、
何をやめればいいのか。


何を、
変えればいいのか。


その答えは、
まだ、
見えていませんでした。


ただひとつ。


名字でもない。
土地でもない。
知識の量でもない。


次に探すべきものは、
どうやら、
別のところにある。


そんな予感だけが、
残っていました。
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