見た目はおっさん、心は中学2年生 その3

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コラム
ちいこの保健室へようこそ!

学校の保健室の先生を29年間勤めました。

過呼吸を起こした
見た目はおっさん、
心は中学2年生のⅠ君でしたが、
呼吸誘導で症状を落ち着かせて、
ベッドで休ませてから、少し話をしました。

「ごめんねⅠ君。
学年主任のA先生が、いきなり怒鳴って
びっくりしたでしょう」
するとⅠ君は、こう答えたのです。
「A先生は、僕のこと心配してくれてるから、
怒鳴ったんだと思う。
それなのに、教室に行けなくて申し訳ない」

私は、唖然としてしまいました。
当然私は、
「A先生が嫌い」とか、
「A先生が怖い」
Ⅰ君が、そう言うと思っていたのです。

先生と生徒の関係は…
というより、人と人との関係は、
他人がどうこう言えるものではないですね。

Ⅰ君とA先生の関係が、
私にすべてわかるわけはないのですが、
少なくとも、深い信頼関係で
結ばれているとも思えませんでした。

「Ⅰ君、A先生に腹を立てていいんだよ」
いやいや、ちがうな…

「Ⅰ君がそんなふうだから、
心の病気になるんだよ」
これはもっと違う…

私には、Ⅰ君にかける言葉が
見つかりませんでした。

つづく



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