見た目はおっさん、心は中学2年生 その2

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コラム
ちいこの保健室にようこそ!

学校の保健室の先生を29年間勤めました。

見た目はおっさん、
心は中学2年生のⅠ君が
毎日保健室にやってきたのは、
担任の先生が言うように
「見た目によらず、心が弱いから」
ではありませんでした。

Ⅰ君は、心の病気だ…。

そう確信した私は、
すぐにスクールカウンセラーの先生に相談して、
児童精神科のある大きな病院を
受診してもらうように、
カウンセラーの先生から
お母さんにお願いしてもらいました。

普段、児童精神科のある大きな病院は
3か月から半年待ちとのことでしたが、
運よく1か月ほどで、受診することができて、
「適応障害と軽いうつ病」という
診断でした。

それから処方された薬のおかげで、
本人が言うには、
少し気持ちが楽になったというのですが
学校での様子は、
以前とあまり変わりませんでした。


日によっては
保健室のベッドで休む日もあり
その日も、頭痛がするというので
私がベッドに休ませました。

すると少しして、2学年主任の先生が
保健室にやってきて、
「Ⅰ君どこですか?」
というので、
様子を見に来てくれたのかなと思い
「窓際のベッドですよ」
と答えました。

すると、学年主任の先生は
いきなりベッドのカーテンを開け
「おまえはいつまでそうしているんだよ!」
と、怒鳴ったのです。

私は「ちょちょちょ…先生…待って!」
と、先生の腕を引っ張って、
廊下に連れ出しました。

Ⅰ君の様子を見に戻ると、
ベッドの上で、過呼吸を起こしていました。

つづく
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