見た目はおっさん、心は中学2年生

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コラム
ちいこの保健室にようこそ!

学校の保健室の先生をしていました。


4年前の4月に出会った、
中学2年生Ⅰ君のこと、聞いてください。

朝の会が始まるか、始まらないかで
I 君は毎日保健室にやってきます。

中学2年生のI君は
かなりガタイが良くて
おっさんの風格がありました。

Ⅰ君の訴えはいつも
「頭が痛い」
「気持ちが悪い」でした。
口数は少なくて、
体調の訴えの他には
何も言いませんでした。

担任の先生は、
「I 君は、だめなんですよ。
ああ見えて気持ちが弱くて…」
といいました。

Ⅰ君の、見た目に反して
常におびえたような表情に
私は違和感を感じながらも、
しばらくは、保健室のベッドに寝かせるか
治らなければ早退を繰り返していました。

ある日、おっさんの見た目のI君が
目に涙を浮かべながら、
思いつめた表情で、

「家で一人でいると女の子の声が聞こえる。
それが怖くて、怖くて…」

それで、夜よくねむれないこと、
いつも頭が痛いこと、
学校にも行きたくないけど、
お母さんに心配かけたくないことなど、
セキを切ったように
いっきに話しはじめました。

やっぱりⅠ君、ダメな子じゃなかった
自分にしか見えないものに
ひとりで苦しんでいたんだ

私は、納得しました。

つづく





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