先日の記事「国際ロマンス詐欺」について少々追加させていただきます。
最初のころは、
「日本に会いに行くため10万ドルを送金して欲しい」
「事故に遭ったからお金を振り込んで欲しい」
といった感じで、直接お金を振り込むように依頼するケースが多かったのですが、
徐々に投資に誘ってお金を騙し取るケースが増えているとのことです。
以下に手口を簡単に説明しましょう。
ある日、知らない人間がマッチングアプリやインスタグラム、ツイッターなどのSNSで接触してきます。
しかし、いきなり投資の話を切り出したりはしません。
頻繁にLINEでやりとりして、交流を深めます。
そして、愛の言葉をささやき、次第に被害者に恋愛感情を芽生えさせるんですね。
場合によっては、数カ月もかけて信頼関係を築いた上で、偽の投資サイトに誘導し、銀行口座に送金させたり、暗号資産に投資させたりするわけです。
最初の段階では、ある程度のお金を引き出せることもあり、信じ込んでしまった被害者はどんどんお金をつぎ込んでしまいます。
そして、長い間お金を払い込み続けた結果、お金がなくなってしまい、はっと気がつくんです。
被害者は男性ばかりではありません。
女性も半分近くを占め、婚活している人がターゲットになることも多いようです。
被害者の年齢層は比較的高く、経済的にある程度の余裕があるため、被害額が数千万から1億円近くに上る例もあるとのことです。
騙されたお金を取り戻すことができるのでしょうか。
専門家によれば、「振り込み先の銀行口座を凍結した時に、口座にお金が残っていれば一部回収できるが、暗号資産や仮想通貨については、ほぼ100%回収できない」とのことです。
さらに、現在のところ国際ロマンス詐欺で失ったお金は回収がほぼ不可能であるにもかかわらず、「必ずお金を回収できる」といった広告を打ち、被害者を救う振りをする弁護士の存在も報告されています。
これらの弁護士は高額な着手金を請求しながらも事件を処理せず、着手金倒れになってしまうのです。
東京弁護士会は、以下のような国際ロマンス詐欺を扱う弁護士業務広告の違反例を挙げています。
・弁護士が一人しかいないのに、24時間365日相談対応と表示されている
・「LINEで相談」と表示されているにもかかわらず、実際には事務職員がLINEのメッセージを作成しており、弁護士が対応していない
・他の詐欺事案で高額回収ができた事例をあたかも国際ロマンス詐欺事案で回収したもののように表示 する
しかし、これを一般の人が見極めるのはかなり困難です。
そのためには、
・具体的にどういうふうに回収できるのか
・実際に今までどれくらい回収できているのか
を確認しましょう。
LINEなどでのやりとりを残しておくと、後々着手金を返してもらえる可能性もあります。
国際ロマンス詐欺は、個人ではなく組織的に行っていることが多く、彼らは手を替え品を替えお金を引き出そうとしてきます。
これに対抗するためには、
・お金を振り込まない
・投資の話に乗らない
しか方法はありません。
みなさんも本当に気をつけてくださいね。
では