ミドルシニア世代の人生経験は、キャリコン活動でどう強みになるのか

記事
ビジネス・マーケティング
キャリアコンサルタントとして動こうとすると、こんなふうに感じる方は少なくありません。

「資格は取ったけれど、特別な実績はない」
「人に誇れるような経歴ではない」
「ただ年齢を重ねただけで、強みと言えるものが見当たらない」

でも、私はここに大きな思い込みがあると思っています。
それは、強みは「華やかな経歴」や「分かりやすい肩書」の中にしかないと思ってしまうことです。

実際には、ミドルシニア世代のキャリアコンサルタントにとって大きな武器になるのは、むしろこれまで積み重ねてきた人生経験そのものです。

JILPTの調査でも、50代以上のキャリアコンサルタントについて、企業経験だけでなく、非営利団体、ボランティア、地域、家庭、子育て、介護まで含めた多様な社会人経験は問題ではなく、むしろ示唆や助言の土台になり得ると整理されています。さらに、傾聴・受容・共感につながるヒューマンスキルやコミュニケーションスキルも、年代が高い方が一般的に長けている可能性があると述べられています。

つまり、年齢を重ねたこと自体が価値なのではなく、その中で積み重ねた経験が価値になるということです。

人生経験は、なぜキャリコン活動の強みになるのか?

キャリアコンサルティングは、知識だけで成立する仕事ではありません。相手の話を聴き、背景を理解し、言葉になっていない不安や迷いを整理し、その人に合う一歩を一緒に考える仕事です。

その時に効いてくるのは、教科書的な正解だけではありません

たとえば、

仕事でうまくいかなかった経験
転職や再就職で悩んだ経験
部下育成やマネジメントで葛藤した経験
家族介護や仕事との両立に追われた経験
夢をあきらめた経験
逆に、好きなことを長く続けてきた経験

こうしたものは、相談者の「分かってもらえた」という感覚につながりやすいのです。

とくにミドルシニア世代の相談者は、表面的なアドバイスよりも、「この人は現実を分かっている」「机上の空論ではなく、自分ごととして受け止めてくれそうだ」という安心感を求めることが少なくありません。

だからこそ、人生経験は、ただの過去ではなく、支援の土台になります。

「仕事経験」だけが強みではありません

ここで大切なのは、人生経験というときに、会社での経歴だけに限定しないことです。

もちろん、営業経験管理職経験採用や育成の経験現場での調整経験人材紹介や就職支援の経験などは分かりやすい強みです。

実際私の場合も、勤務先の破綻を経験したこと、生命保険会社での採用業務を通じて「人のキャリア」への関心が高まったこと、人材紹介コンサルタントとしてミドルシニア人材の転職・再就職や職場定着の難しさに向き合ったことが、その後のキャリアコンサルタントとしての活動に活きました。そして、現在は「経験の点が線になる」ということを実感しています。

でも、強みはそこだけではありません。

私は、趣味や夢中になってきたことも、十分に支援価値になり得ると思っています。

たとえば、

長年続けてきた釣り音楽や作曲
犬や猫との暮らし
読書会や歴史探訪
パソコンやスマホの学び
DIYやものづくり
地域活動やボランティア

こうしたものは、一見するとキャリアコンサルティングと遠いように見えます。

でも実際には、その中に

継続してきた力
試行錯誤してきた力
教える力
人を巻き込む力
好きなことを深める力
人の不安に寄り添う力

が詰まっています。

しかも、相談者の中には、

「定年後に好きなことを活かしたい」
「趣味を副収入につなげたい」
「生きがいと複業を両立したい」

という悩みを持つ人もいます。

そういう方にとって、ただ制度を説明できる人より、実際に夢中になってきた世界を持つ人の方が、言葉が届くことがあります。

趣味や人生経験をベースに、複業デビューする道もある

ここはぜひ、読者の方に知っていただきたいところです。

キャリアコンサルタントとしてのデビューは、必ずしも「求人に応募して就職する」だけではありません。人生経験をベースに、複業として小さく始める道もあります。

たとえば、

釣りが好きな人なら、
「好きなことを続けながら働き方をどう変えるか」
というテーマで、趣味と仕事の両立に悩む人に寄り添えるかもしれません。

音楽を長くやってきた人なら、
「表現したい気持ち」と「生活との折り合い」
の両立に悩む人に対して、現実感のある対話ができるかもしれません。

ペットとの暮らしを大切にしてきた人なら、
「人生後半をどう生きるか」「ペットと暮らしながら働き方を整えるにはどうするか」といった相談に、より深く寄り添えるかもしれません。

つまり、趣味は単なる趣味で終わるのではなく、その人らしい支援テーマの入口にもなり得るのです。

占いとキャリアコンサルティングを掛け合わせて成功した例もある

これも、とても面白い視点です。

相談者は、最初から「キャリアコンサルティングを受けたい」と思って来るとは限りません。

むしろ、

自分のことを知りたい今のモヤモヤの理由を知りたい何となく将来が不安誰かに話を聴いてほしい

という状態でいることの方が多いです。

そういう時、
占い、性格診断、自己理解コンテンツなどを入口にして、そこから

「本当はどう働きたいのか」
「いま感じている違和感はどこから来ているのか」
「次の一歩をどう整理するか」

へつなげていく方法も十分に考えられます。

もちろん大事なのは、占いを結論にしないことです。

占いをきっかけにしても、最後は本人の意思決定や行動整理に結びつける。そこにキャリアコンサルティングの価値があります。

こういう入り方は、人事経験がなくても始めやすく、しかも「相談の入口」を広げられるやり方でもあります。

ロープレ相手として複業デビューする形もある

もう一つ、とても現実的な入口があります。
それが、ロープレ相手としての複業デビューです。

たとえば、

国家資格キャリアコンサルタント試験の受験者面談練習をしたい
対人支援職面接練習をしたい
求職者相談場面での受け答えを練習したい人

こうした方に対して、

ロープレ相手フィードバック役面談練習の伴走役

として関わるのも、立派な入口です。

この形のよいところは、最初から「私は完成したキャリア支援者です」と名乗らなくても始めやすいことです。しかも、

聴く力整理する力相手に合わせる力フィードバックする力

を、実践の中で磨いていけます。

小さく始めながら経験を積みたい方にとって、とても相性のよい形だと思います。

強みになる人と、強みにならない人の違い

ここで一つ大事なことがあります。
人生経験は、ただ持っているだけでは強みになりません。

差が出るのは、その経験を「誰のどんな悩みに役立つか」まで言葉にできているかどうかです。

たとえば、
「営業を20年やってきました」だけでは、まだ強みとしては伝わりにくいです。

でも、

「断られる怖さを知っているから、応募や転職活動が怖い人の気持ちが分かる」
「数字に追われながら働く苦しさを知っているから、仕事のしんどさを言葉にできる」
「部下の育成で悩んできたから、管理職の孤独に寄り添える」

ここまで言葉になると、ぐっと価値が伝わります。

趣味でも同じです。

「釣りが好きです」ではなく、
「長く続けてきた好きなことを、人生後半の生きがいや複業にどうつなげるかを一緒に考えられる」

「占いができます」ではなく、
「自己理解の入り口を作り、そこから働き方の整理に橋をかけられる」

「ロープレ相手ができます」ではなく、
「対人支援の第一歩が怖い人に、安心して練習できる場を提供できる」

こうなると、人生経験はきちんと強みに変わります。

ミドルシニア世代だからこそ見えるニーズもある

私の今までのミドルシニア世代の方のキャリア支援をしてきた実感としては多くのミドルシニア人材が、転職や再就職の正しいやり方を誰からも教えてもらえず、十分にきめ細かな支援を受けられていないと感じており、また、複業に関するアドバイスやコンサルティングができる支援者も少なかった感じています。

この現実を見ると、人生経験を持つミドルシニア世代のキャリコンには、かなり大きな役割があると感じます。

つまり、人生経験は、単なる「過去の思い出」ではなく、まだ十分に支援されていない人たちに届くための入り口になり得るのです。

人生経験を強みに変えるための3つの整理

では、どうすれば人生経験を強みに変えやすくなるのでしょうか。私は、次の3つが大切だと思います。

まず、経験を書き出すことです。
仕事経験だけでなく、挫折、両立、趣味、長く続けたこと、夢中になったことまで含めて棚卸しします。

次に、誰のどんな悩みに役立つかを考えることです。
自分の経験を必要とするのはどんな人か?どんな言葉なら届きそうか?ここを結びつけることが重要です。

最後に、小さい入口を作ることです。
最初から大きく始める必要はありません。趣味ベースの相談、自己理解支援、占いからの導入、ロープレ相手、モニター相談。こうした小さな入口が、実績にも自信にもつながっていきます。

まとめ|人生経験は、遅れている理由ではなく、強みの源泉です

ミドルシニア世代の方は、ときどき自分の人生経験を過小評価してしまいます。

「大したことはしていない」
「人に言えるような経歴ではない」
「今さら強みなんて見つからない」

でも実際には、JILPTも、50代以上の多様な社会人経験や、傾聴・受容・共感につながるヒューマンスキルが強みになり得ることを示しています。

また、私の経験からも、勤務先の破綻、転職、人材紹介、若年者支援、ミドルシニア支援といった経験が、後の支援テーマにつながっていきます。

だからこそ、人生経験は、「これからの支援の源泉」として捉え直した方がいいのです。

「自分のどんな経験が強みになるのか分からない」
「趣味や夢中になったことを、どう支援テーマにつなげればいいか整理できない」
「占い、自己理解、ロープレ相手などの入口をどう形にすればいいか迷っている」

そんな方は、まずは現状整理から始めてみてください。

あなたの人生経験は、思っている以上に、誰かの役に立つ可能性があります。

一緒に頑張っていきましょう。

ご相談はお気軽に!!
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら