「直感」という言葉を聞くと、少し距離を感じる方がいるかもしれません。
霊感のある人が持つもの、とか。特別な修行を積んだ人だけに宿るもの、とか。自分には縁のない話だと、最初から決めている方が、思いのほか多いように思います。
でも私は、直感は誰のなかにも当たり前に備わっている感覚だと思っています。
「ちょっと気持ち悪いかも」と感じる場所があるとか。「なんか忘れ物してる気がする」という感覚とか。「あ、熱が出そう」という、身体を伴う予感もそのひとつです。違いがあるとすれば、感度の濃淡だけ。
感じない人がいるのではなく、耳を澄ませていない人がいる。「これは気のせいだ」と自分で打ち消すか、その感覚にしばらく留まってみるか。その違いだけだと思っています。
その「気のせい」の積み重ねを後から振り返ったとき、外れているよりも当たっていることの方が多かった——そういう経験をしている方も、少なくないのではないでしょうか。
直感を信じにくい理由のひとつは、「証明できない」からだと思います。よりどころのない、曖昧で目に見えない感覚。説明できないものを根拠にすることは、合理的な判断を求められる場面ではかみ合わせが悪い。感情を正当化しようとしているように見られることもあります。そして、その慎重さは、決して間違いではありません。
ただ、直感と感情は、同じではありません。
感情は「自分の欲望や置かれた状況」に引っ張られます。欲しいものがあるとき、怖いことがあるとき、感情はその方向に動きます。
直感はもう少し静かで、唐突です。欲望とは無関係に、ふと浮かぶ。理由を説明しようとすると言葉にならない。その静けさと唐突さが、感情との違いだと私は感じています。
だからこそ、直感は「感じにくい」のではなく「信じにくい」のだと思います。感じてはいるけれど、根拠がないから打ち消す。その繰り返しで、だんだん聞こえなくなっていく。
タロットは、その感覚を言葉にする手伝いをするものだと、私は思っています。
カードが未来を決めるわけではありません。今自分がどこにいるかを、少し外側から確認するための地図として使うものです。直感が当たるかどうかより、今自分が何を感じているかを知ることの方が、先に来る。タロット鑑定を、そういうものとして捉えています。
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