ビジネスモデル紹介vol23_浜中町農協組合

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ビジネス・マーケティング

📚はじめに

 「一度飲んだら戻れなくなる」そんな牛乳を提供しているのが、北海道浜中町農協だ。タカナシ牛乳の名前で知られているが、「飲んだ後の後味のすっきりさ」と「うまみの強さ」が特徴的だ。

 ハーゲンダッツの原料にも選ばれている同牛乳が、質を高められた背景には、「酪農のデータ管理」に合った。最新の酪農の現場を紹介する。

📚ビジネスモデル紹介

浜中町農業組合
 浜中町農協の成功の秘訣は、3点挙げられる。
①牛乳のデータ管理
②酪農の働き手への投資
③地域とのかかわり方

①牛乳のデータ管理
 組合長の石橋榮紀は、各農家の牛乳の成分を検査し、エサを改善していく仕組みを作った。例えば、牛乳の成分に尿素が高いと判定されると、エサの中に重曹を混ぜ、尿素の値を下げていく。これにより、常に理想の味を実現することができるようになる。

②酪農の働き手への投資
 どこの地域の酪農家も、後継者不足に悩まされているが、浜中町は約7割後継者が決まっている。
 これを実現しているのは、外部からの就農研修の受け入れが大きい。研修中の期間は、月に25万円を支給、家の無償貸し出しをしながら、酪農について学ぶことができる。そして、3年間の研修卒業後、牧場を明け渡したい人が現れた際に、牧場のリースを5年間行い、農協のフォローの元、実績を作ることができる。

③地域とのかかわり方
 組合長の石橋榮紀は、酪農以外の住民にも目をかけている。酪農以外の業者や産業がないと、酪農を営むことも難しいからだ。例えば、雪の除雪や道路の整備がされないと、牛乳の出荷に支障が出てしまう。
 地域住民への還元の取り組みとして、農協としてスーパーの運営をしている。赤字事業となっているが、住民の生活があってこその酪農があるということで、運営を続けているという。

📚ひとこと

 事業を行うときに忘れがちになるが、周りのインフラが整ってこそ、いい事業やいいサービスを生み出すことができる。今回の事例の場合、住民を支えるスーパーの運営にも手を伸ばし、地域住民を支えるというものだった。
また、以前紹介した高松市丸亀町商店街も住民向けサービスを充実させることで、商店街を活性化させていた。

 自社事業以外に、地域住民を大切にする姿勢が、事業を伸ばす視点として不可欠だと感じた。

📚参照
カンブリア宮殿_2014年8月14日放送
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