ビジネスモデル紹介vol17_サラヤ

記事
ビジネス・マーケティング

📚はじめに

 「手洗い、うがい、アルコール」子供の時から当たり前に取り組んでいる習慣は、今回紹介するサラヤのおかげかもしれない。よく学校にあった緑色の薬用石鹸やうがいをする機械は、サラヤが作っているものだ。
戦後、日本は多くの衛生問題に悩まされた。そのときごとに、社会問題に正面から取り組んできたサラヤの物語。

📚ビジネスモデル紹介

サラヤ.PNG

 サラヤは、戦後の赤痢蔓延に対応するところから始まった。赤痢を防ぐためには、手洗いと消毒を両立できる石鹼を開発し、全国の学校や公共トイレの手洗い場に設置した。

 1960年には、大気汚染問題が社会問題化し、ぜんそくを発症する人が増えた。そこで、うがいができる機械を開発、設置することで、この問題に対処した。
 1970年代は、化学品を使った中性洗剤が水質汚染問題につながっていた。これを解決するために、自然由来の成分のみを使ったヤシの実洗剤を開発した。環境問題を解決するだけでなく、手荒れで悩む女性を救うことになった。
 サラヤは、洗剤の原料である油やしを栽培しているジャングルの保全にも積極的だ。
油やしの生産のために、熱帯雨林を伐採しているが、動物たちが住む川辺の木々も伐採してしまい、動物がすむ環境が奪われているという問題が起きていた。

 サラヤは同業の洗剤業者などに声がけを行い、熱帯雨林を守る取り組みとして、ヤシの実洗剤の売上の1%を植林などの環境保全に充てることにした。この取り組みにより、ヤシの実を栽培している農家にも少しずつ環境意識が浸透している。

📚ひとこと

 社会課題に挑戦するビジネスは、規模が大きいから難しいと考えている方が多い。しかし、社会課題が顕在化しているということは、「本当に困っている人」がいることの裏返しだ。
 困っている人に、商品×浸透サービスを粘り強く届けていることがサラヤの強みであると感じた。

「石鹸を出すだけでなく、一緒に手洗い場を」
「うがい薬だけでなく、うがいができる機械を」
「消毒用アルコールだけでなく、使い方の浸透を」
 商品を消費者のそばまで届ける取り組みが素晴らしい。

📚参照
カンブリア宮殿_2014年7月3日放送
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