ビジネスモデル紹介vol15_トヨタ

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ビジネス・マーケティング

📚はじめに

 現トヨタ社長豊田章男といえば、レーシングカーに乗ってドライブを楽しむ姿、最近だと、スマートシティ構想を打ち出している姿が印象的だ。

 国内トップの盤石な企業のイメージがあるトヨタだが、豊田章男就任してからは、苦難の連続だった。2008年のリーマンショックによる株価下落、恒常的な超円高、2009年のリコール問題、2011年の東日本大震災による工場停止。同時期に、タイの洪水による拠点停止。
 苦難というには大きすぎるところからの復活を遂げるトヨタの物語。

📚ビジネスモデル紹介

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 トヨタ復活の要因は、以下2点にまとめられる。
①現場回帰
②車に乗る楽しさの訴求
 まず、社内に向けて豊田章男は、「もっといい車を作ろう」と言い続けた。お客様に最高の乗り心地を体験してもらうための、シンプルなメッセージだ。これがデザインや生産の現場まで浸透した。
これまでの技術では難しい設計でも、「もっといい車をつくろう」というメッセージのもと、生産スタッフが必至で要望に応えるようになった。

 この、「もっといい車をつくる」という考え方は、トヨタ創業家に遡る。
 創業者の豊田佐吉は、布を織る織機の生産性を上げる機械を発明する。1924年には、これまでの20倍もの生産性を実現し、海外に輸出を果たす。

 2代目の喜一郎(豊田章男の祖父)は、当時日本に輸入され始めていた自動車に資金を投入する。社内の反対を押し切り、自動車部を作り生産を進める。そして、現在の豊田市に、1938年自動車生産を一貫して行う工場を設立した。
 共通しているのは、実際手を動かしてモノを作ってみる、現場を大切にすることだった。この考え方に回帰することが、トヨタ再生に繋がった。

 「車に乗ることの楽しさを伝えること」も同時に大切にしていった。自らレーシングカーに乗ったり、普段も自社の小型車に乗っている。若者の車離れが叫ばれているが、車に親しみのある層が、車に乗る楽しさを伝えなければならないという使命を持ち、自ら先頭に立ち続けた。

📚ひとこと

 何万人もの従業員をまとめる社長の役割について考えさせられた。社長の役割として、マネジメントも大事だが、もっと重要なのは、「トヨタの商品が好きで、もっといい車を作ろう」というメッセージを伝えることだと語っていた。
 社長の方針が浸透することで、現場がもっといい車を作るために自ら改善を行うことに繋がっている。シンプルで理解しやすいメッセージの重要性を感じた。

📚参照
カンブリア宮殿_2014年6月12日放送
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