ビジネスモデル紹介vol13_アンデルセン

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ビジネス・マーケティング

📚はじめに

 「100個の小麦から1個のロールパン」これを聞いてとても驚いた。パン一つ一つは、たくさんの小麦と、それを育てる人からできていることを知った。
 パン1個1個の大切さを、アンデルセンの社員は、2年に及ぶ農場研修によって身に着ける。「パン1個でも無駄にできない」「アンデルセンのパンをもっと届けたい」という思いが伝わってくるような物語。

📚ビジネスモデル紹介

アンデルセン.PNG

  1948年、「タカオのパン」の名前で、町のパン屋をスタートする。転機が訪れたのは、1959年。視察旅行で、デンマークコペンハーゲンのホテルで出たデニッシュペストリーに感動し、なんとか日本でも、再現させようとする。
 3年の月日がかかり、日本初のデニッシュペストリーを生み出すことに成功する。その際に、デンマークを代表する童話作家の名前を取り、社名がアンデルセンとなる。

 アンデルセンは、一貫して「パン文化を根付かせたい」という思いを持ち続けてきた。
①独自の生地冷凍技術
②社員の教育
③パンを使ったライフスタイルの提供
 を実施した。
 パンの生地は、一度冷凍するとパンを膨らませるイースト菌が死んでしまう。しかし、アンデルセンでは、冷凍してもイースト菌が死なないイースト菌の開発に成功する。これにより、徹夜でパン生地を作らなければならない作業が大きく楽になった。

 また、アンデルセンでは、このイースト菌の特許を開示した。同業者の労働環境改善にも大きく貢献した。
 社員の教育について、アンデルセンの新入社員は2年間の農場研修を受けることになる。これにより、小麦の大切さを学ぶことになり、おいしいパンを無駄にせずに届けようという思いを、社員全体で持つことができる。

 さらに、アンデルセンはパンを売るだけにとどまらない。パン屋にレストランや花屋を併設させることで、パンを楽しむライフスタイルを提案してきた。

📚ひとこと

 新人研修に2年を費やす。これは、なかなかできるものではないと思った。大抵の研修は1~2か月間、また、素材の生産については、社会見学的に1日で終える企業もあるだろう。

 人的投資については、アンデルセンにとって大きなものになるが、社員が小麦を育てる苦労を知ることで、パン作りに妥協なく臨める。
 研修の長さだけが大事ではないが、経営者の、「パン文化を根付かせる」思いが透けて見えた。

📚参照
カンブリア宮殿_2014年5月29日放送
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