📚はじめに
日本の農業の衰退が叫ばれてから久しい。農家では食べて行けないから、耕作放棄地が増え、跡継ぎがいない。「その解決策は、農家が儲かることだ」と言われてきたが、あまり浸透していない印象だ。
今回紹介するファームドゥのビジネスモデルを見て、「これは農業を稼げるものにできるかもしれない」と感じた。「個人の農家をビジネス集団化する」仕組みを紹介する。
📚ビジネスモデル紹介
ファームドゥは、東京都内で群馬県の契約農家の野菜を届ける野菜専門店を30店舗以上運営している。独自の物流網を持っているため、中間物流を挟まず、群馬県の農家から直接店舗に新鮮な野菜が届けられる。また、JAでは買い取ってくれない規格外の野菜についても、農家が自由に売ることができる。
都内で、新鮮な野菜がお手頃に手に入るとあって、健康に気を遣う家族ずれのみならず、レストランの店主もファームドゥ運営店舗から仕入れに来るほどだ。
今回のビジネスモデルで注目すべき点は、よい商品を農家自身で作りたいと思えるような、以下2点の仕組み作りだ。
①野菜の値段は自分で決める
②チェーンの販売店舗も自分で決める
どの店舗で、どのくらい売れたのか農家に伝わることになるため、農家が野菜の売り方にまで関心を持つようになる。
他より良い野菜であれば高くても売れるが、高すぎても売れない。だから、真剣に値決めをするし、売るためにおいしい野菜を作ろうとする。結果がストレートに返ってくるから、農家も努力する。
📚ひとこと
農家が自分で価格を決めるという仕組みはよく聞くが、都内の店舗のどこで売るかも農家が決められるという仕組みが画期的だと思う。
例えば、
「練馬の地域は高齢者が多いからホウレンソウが売れる」
「三鷹は、若い人が多いから芽キャベツが売れる」
など、地域ごとに売れる野菜が違う。これを、農家が学習しながら、売れる野菜を店舗に届けていく。
地域で住んでいる人は異なるし、当然ニーズも異なる。生産者がこのことを理解し、売り方を考えていく仕組みによって、個々の農家の「自立」に繋がると感じた。
📚参照
カンブリア宮殿_2014年5月22日放送