ビジネスモデル紹介vol8_サントリー

記事
ビジネス・マーケティング

📚はじめに

 「仕事や部活の飲み会」と言えばビールをイメージするが、サントリーのプレモルはイメージには当てはまらない。ちょっとリッチな気分を味わいたいときに、イタリアンのお店で飲むイメージだ。

 ビールの楽しみ方が時代とともに変化する中で、シーンに合ったビールの提供を実現し、サントリービールはビールシェア3位に躍り出た。
 プレミアムモルツにより、サントリーは酒造として初めて赤字を脱したのだが、そこに至るまで45年の月日が経っていた。 

📚ビジネスモデル紹介

サントリー.PNG

 1899年、鳥井信治郎が、日本人の手で洋酒を広めようと会社を興した。1907年に日本人に合う赤玉ポートワインを開発しヒット。
 戦後には、トリスウイスキーを生み出し、こちらもヒット。トリスやサントリーの名前が付いているバーは全国に3万5千店に広がるなど、絶頂期を迎えた。

 そんな中、創業者と2代目は、ウイスキーだけに頼らない第2の柱を立てるべく、ビール事業に参入することを決める。しかし、当時はキリンや日本麦酒(サッポロ)、アサヒなど大手が市場に参入しており、サントリーのビールは全くと言っていいほど売れなかった。

 2000年代に入り、サントリーは新たなニーズに応えるため、プレミアムモルツを送り出す。飲み会需要だけではなく、週末にゆっくりビール自体を楽しむニーズに応えようとした(CS)。
 そのニーズに対して、
①製造工程のひと手間(一時的に、一部の麦汁を沸騰させる)
②素材のこだわり(ホップや麦芽)
 で顧客に満足してもらえるビールを生み出した(VR)。

📚ひとこと

 赤字脱却まで45年。途方もない時間だが、プレミアムモルツの成功は、「どうすれば売れるのか?」考え続けた結果だと思う。

 大規模な設備を要する事業では、いきなり新参者が参入することは難しい。サントリーは、長年研究開発を続けながら売上が立たなくても耐え続け、「週末にじっくり飲むスタイル」が浸透しやすい時代に、花開いたのではないかと思う。
 サントリービール事業の事例は、「やり続け、やり抜く」というシンプルなことが大切だというメッセージを提示してくれる。

📚参照
カンブリア宮殿_2014年4月24日放送
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す