#177 子どもが自分の身を守る「2つのポイント」

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「怪しい人に気を付けよう」ではダメ! 子どもが自分の身を守る「2つのポイント」


わが子が犯罪に巻き込まれないために、何を教えたらよいのでしょうか。
ボディーガードである筆者が、子どもへの防犯指導で伝えている「2つのポイント」を紹介します。




「犯罪が起きやすい場所」を知る
 子どもの習い事として、空手などの格闘技が流行しています。
武術から学ぶ教訓はたくさんあるので、多くのお子さんのチャレンジはとても喜ばしいことです。



 ただし、格闘技を習ったからといって、子どもが犯罪者(大人)に遭遇しても、撃退することは、まず不可能です。
犯罪の被害者にならないためには、護身術で抵抗するよりも、犯罪者を遠ざける方法を知る方が、はるかに簡単で効果的です。



しかし、犯罪と一言でいっても、「殺人」「暴行」「誘拐」「通り魔」など多くの種類があり、それぞれに応じた対処方法を学ぶことは、大人でも簡単ではありません。


 ボディーガードである筆者が、お子さんに防犯指導をする際に伝えている、ほとんどの犯罪に共通する「2つの重要ポイント」を紹介します。



「犯罪が起きやすい場所」を知る
犯行に選ばれやすいのはどっち?


 子どもの防犯教室などで、「怪しい人に気を付けよう」という言葉をよく聞きます。
確かに、“誰が犯罪者か”を見分けることができれば、被害に遭う可能性はぐんと減るでしょう。



 ただし問題は、いわゆる「不審者」には外見的な目印がないことです。
多くの人は、見た目やファッションが奇抜な人、または見慣れない相手を「不審者」と判断します。



しかし大抵の場合、それらは先入観から来る偏見であり、的外れなことが少なくありません。
 不審者を見極める力は、訓練次第で精度を上げられます。
ただし、それは一種の専門技能であり、子どもはもちろん、大人でも簡単には身に付かないのです。



つまり、「不審者に気を付けよう」という大ざっぱな指導は意味がないだけでなく、外国人や特定の病気の人への偏見を生む恐れがあります。
もちろん、見知らぬ相手への警戒は必要ですが、子どもが判断できるはずのない「不審者」への注意喚起は、防犯指導として無責任といえます。
 まずは子どもに理解できる、具体的な内容を教えなければ意味がありません。



そこで、ポイントの1つ目となるのが、「犯罪が起こりやすい場所は分かりやすい」ということです。

犯罪者を見分けることはできませんが、
犯罪者が犯行に選ぶ場所は、目で見て判断できるからです。



 2枚の写真を比較してください。もしも、あなたがポイ捨てをする場合、どちらが抵抗感を覚えにくいでしょうか。


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多くの人が、右の汚い場所を選ぶと思います。
では、きれいな場所と汚い場所の違いは、どこにあるのでしょう。
 花壇など、きれいに造成された場所の周りには、人が集まります。
そして、きれいに手入れがされていることで、そこを管理する人物がいると連想できます。



逆に、多くの人はわざわざ汚い場所に近づきません。
ほとんどの場合、そこを管理する人すらいないでしょう。
つまり、きれいな場所での犯行は人に見られる危険があり、反対に、汚い場所では誰にも見られない可能性が高くなるということです。




 犯罪者にとって目撃者の有無は、犯行現場を選ぶ上での最重要ポイントです。
通り魔のように、凶行のアピールと、逮捕されること自体が目的の者を除き、多くの犯罪者にとって、「人の目が届きにくい空間」こそ、犯行に最適な場所といえます。



もちろん、その空間は密室とは限りません。
樹木が生い茂って周囲から見えにくい公園はもちろん、近くに民家がない農道なども、犯罪者の感覚では「隔離された空間」と同じでしょう。




 また逆に、大きなショッピングモールなど、あまりに人の目が多い場所も安心できません。
人が多い分、他人への関心が薄れるため、一人一人の行動が目立たなくなるのです。




連れ去りが起きても情報が集まらない可能性が高く、実際に目撃者がゼロの事案も発生しています。
つまり人混みは、犯行の獲物選びや、誘拐には格好の場所なのです。
しかも、そこで犯罪者にアプローチされた場合、子どもが抵抗することはできないでしょう。
責任は周囲の大人にかかっています。




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