信頼はなぜ裏切られるか 信頼するしないは、人類最適化のため

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コラム
信頼はなぜ裏切られるか
信頼するしないは、人類最適化のため


今まで信用していたのに、

急に裏切られたと感じる人。
いないでしょうか?

しかし、
あなたが原因ではなく、
相手の環境など、
色々な要素が組み合わさって

「裏切る」

と感じてしまうような
行為に至る場合があります。

例えば、

家族と友達
危機的な場面にであると
どちらを助けますか?

家族と答える人が
大半でしょう。

そういうことです。

また、相手を信用するしないの前、
自分自身が信用できる人間か?
ということも問われます。

相手もそうですが、
まずは自分自身を信用したい。
これが「自信」につながると考えています。

信頼はなぜ裏切られるのか

デイヴィット・デステノ著
ノースイースタン大学心理学教授
ニューヨークタイムズなどにも寄稿しています。


信頼はなぜ裏切られるのか

posted with ヨメレバ
デイヴィッド・デステノ/寺町朋子 白揚社 2015年12月
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信頼とは何か?なぜ信頼は重要なのか?

人間は社会集団の一員として
生きるように進化しました。

よって私たちの祖先の心は、
助け合って一緒に暮らすことから生じた課題に、
対処する過程で作られました。

協力は必要不可欠です。

人を信頼する事はまさに賭けであり、
そこには当然リスクがあります。

人間はなぜリスクを犯すのか?
一言で言えばそうするしかないからです。

単独ではできないことを協力しあって成し遂げる。

1人ではなく一緒に働いた方が、
多くのことを達成できると言う共通点があります。

だから私たちは信頼をする。

もし他者を信頼するときに、つきもののリスクを避け、
協力から利益を得たいと本気で思うならば、
それを実現させる手段は1つしかありません。

それは、透明性です。

他者の行動を確認するといいうこと。



即、報いは得られない

後で報いを得るプロセスがなければ協力は、
行き詰まります。

するとすぐにその場でお返しをしてくれる相手だけを
助けることになります。
これはあまり効率的ではありません。

助けが必要な時はいつも助けが必要な誰かを探して
互いの問題が必ず同時に解決されるようにしなくてはならないからです。

しかし、それは実行が不可能です。

そこで信頼が不可欠になります。
信頼がなければ実りある協力はありえない。

だが信頼を諦めたらどうしても利己的な行動の被害に合うし、
利己的な人物を予測されることが難しくなります。

●問題点その1.人の行動すべてを確認できない。

●問題点その2.行動のやり取りのあいだに時間のずれが起こりうる。
        (報いは遠い未来かもしれません)



価値を判断する時、
ただ直感に頼るのは禁物です。

「理屈」と「直感」の両方から、
自分がとるべき行動について納得がいく秘訣は
どっちなのか検討することが必要です。

ではどうすれつりあいが取れるのでしょうか?
どうすれば取るべき行動の予測できるようになるのでしょうか?

相手と同じように公平に振る舞う

まずは公平に振る舞うが、
それ以降は相手の行動をそっくりそのまま返す戦略です。

もし相手がその後も公平に振る舞えば、
次の回であなたも公平に振る舞う。
もし相手が裏切ったら裏切る。



公平よりも寛容さ

寛大に振る舞うと、搾取されることもありますが、
最初の裏切りが過失だった場合は、
寛大な振る舞いによって誠実な関係が花開くのです。

全員が、信頼できるようになると、
誰もが裏切られることを予想しなくなり、全員が協力し合う。

現実の戦略

相手の出方がわからないと、
誰かれ構わず信頼することを勧めています。

知らない人間を信頼すれば人は損をさせられるかもしれないが、

相手を信頼しようとしなければ継続的な協力によって、
大きな利益を与えてくれる誠実な人間も見つけられません。



信頼は一瞬で失う

「良い人」とみなされている人が
一度でも悪いことをしたら、
その人は非道徳な人物だと思います。

これまでの善行はずる賢い本性を隠すためと考えます。

もし悪人とされる人が良いことを人としても、
ほとんどの人はただの気まぐれだとみなしたがる。
この場合その人の道徳性に対する見方は変わりません。


●社会的ストレスは、誠実な振る舞いを劇的に増やします。

社会的な不安のある人たちは、
そうでない人に比べて相手に協力する割合が約50%多かったのです。



自分との約束を守る=自身につながる。

人を裏切らず誠実な人間であり続ければ、
将来的にはその人の利益は最大になります。

短期的に見れば裏切る戦略によって利益は最大になります。



そして、誠実に振る舞うには自分との約束を守る。

自分で決めたことを守る。



自制心=誠実=自信につながる。








自分も裏切るかもしれない

人の心は普通、他者を傷つけようとするわけではありません。



短期的か長期的か?
どちらかによって多くの利益が得られるか?
検討する必要があります。

将来の自分が、
今の自分と同じように物事を見ると言う保証はありません。
自分が信頼できるのは安定している状況や環境だからです。

自分は目先の利益に目がくらまない。
今は、そう思っても、
ストレスやプレッシャーが多い環境では、
そうとは限りません。

いざ目の前に利益が現れたら、
自分の頭の中で「計算」するのです。

ただ、不安定な状況が予測できれば、
対応する準備をすることは可能です。

人を信頼したり、裏切るのは最適化のため

人間は古来から社会的な生き物であり、
生存するためには、そうするしかなかった。

人間が繁栄するためには、
他者を頼ることが根本的に必要です。
これが、人類の進化に強い圧力をかけています。

よって、人間はもともと人を裏切りやすいわけでも、
信頼しやすいわけではありません。

みんな「良い人」になりたいのです。
しかし、自分が置かれた状況で、
どちらの選択肢が自分の利益になるかを見極めています。

そのような反応は意図せず自然に起こることの方が大きい。

相手を騙す、騙された。

騙された場合に、
騙されたと気づいていないようであれば、
ずっとやり続けます。

ただ人間は騙されていると言う感覚をひどく嫌うため、
ほとんど理屈に合わない反応をすることがよくある。

オキシトシン(可愛さ余って、憎さ100倍)

オキシトシンとは・・幸せホルモン、女性の出産や子育てに関連するホルモン。

オキシトシンの鼻腔からの吸入量を増やすと、
人がたとえ裏切りに遭っても相手を信頼し続けることを示しました。

オキシトシンの二面性
オキシトシンは確かに信頼や絆を強めますが、
一方で不信や嫉妬、差別も煽る可能性がある。
それは信頼にかかわる事柄では相手の素性によって決まります。

オキシトシンのデメリット
生か死かの場面ではよそ者より、
同胞のほうを多く助ける決断を進んでくだしました。

オキシトシンはたいてい信頼感を増しますが、
その効果は相手に対する好感度によって左右されます。

たとえば、自分をつねに負かしたり
不公平に扱ったりする相手の場合、
オキシトシンが増えると妬みが助長される。

相手がついに負けたときに、
いい気味だという気持ちが強く起きる。



特に興味深いのは、
血管を駆け巡っているオキシトシンが
多ければ多いほど、嫌悪で痛めつけてやりたいと思う人が
多いのです。

人間の本性は最適化。前か悪かではない

人間はもともと 他者を信頼し、
自らも誠実に振る舞う。

人間はもともと不信感を抱き裏切る。どちらもYes。
進化では人格化ではなく最適化が重視される。

しかるべきときには絆を築き、
そうでないときには利己的になる。

人間はほとんどの動物とは違い、
それをよく検討し、
その情報を利用する能力を備えています。

要は信頼に関わる心と体の働きをしっかり理解すれば良い。

人間が2つの面を持っているのは理由がある

自分の成果を最大にするには
しばしば柔軟性が必要となります。

いつも誠実に振る舞えば、得をするとは限りません。

ときには不誠実に振る舞うことで
得られると言うものも事実でなのです。

生物としての適応は総合的な成功によって
促されると言う事だけなのです。

このことより反射的に引き起こされ、
ショックをを感じても
折り合いに付けられるようになるだけではなく
うまく使いこなせるための心構えもできます。

大事なのは穏やかで毅然とすること

ストレスを感じているときには心内や絆を築くことが難しい。

普通なら目の前の人を信頼して当然と言う場合でも、
苛立って感情があると
あなたがその人を信頼する見込みが低くなり、
逆にあまりにもおおらかな気持ちで新しい状況に突入すれば、
信頼すべきでない相手までむやみに信頼しかねません。

もししかるべき場合に、
他者を信頼できるようになりたければ、
少し時間をとってそれまでの出来事で感じたことを
全て追い払おう。

オキシトシンは高潔さではなく、
生死に結びつく化学物質なのです。
善悪ではなく最適化を目指すものだと言うことを覚えておこう。




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