真実を知ったら最後⑶

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小説
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Chapter3
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「真実って何?」

真実を聞いたら後戻りできなくなる気がした。
幸せだった家族との時間に
でも真実を知りたい。

「わかった、教えるよ」

母の重い唇が動いた。

「あなたはね、私たちの子じゃないの。私の姉、恭子と慎二さんとの間に生まれた子よ。子供の頃の記憶ほとんどないでしょ?それはね、里奈が幼い頃に両親が亡くなってしまったことが原因なのかもしれないの。」

ショックだった。まさか私にこんな重い裏切りが待っているなんて予想もしていなかった。こんなに幸せなのに崩れるのは一瞬ってこういうことか。

「どうして亡くなったの?」
「それだけは教えられないわ。」

それだけを言い、母は部屋を出ていった。

ショックだったが、自分の過去や本当の両親のことが少しわかって心のどこかでホッとしている自分がいた。
自分の過去のこともっと知りたい。

同じ大学の人にこのこと話したら一瞬にして話が広まりそうだから、同じ大学の子ではない志帆に話を聞いてもらった。
彼女は私の話を真剣に聞いてきれて全てを受け入れてくれた。

志帆が近くにいてくれてよかった。やっぱり私は周りの人に恵まれてるんだ。

真実に近づくためにどうすればいいか2人で話し合い計画を練った。
話し合った結果、夏休みを使い、手紙の差出人 倉本祥子 という人物に会うことにした。

彼女に会う前日、胸の高鳴りで寝付けなかった。
真実にたどり着けると思うとアドレナリンが分泌され体や脳が冴えてしまった。

結局一睡も出来なかった。

朝、志帆と合流した。
手紙に記載されていた住所を車で向かった。



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《高知》

ーーーミンミンミンミンーーー

セミの声が風に乗って私たちを迎え入れてくれるように聞こえた。
家族といろんな場所に訪れたことがあるのに、母の地元に来るのは初めてで、なんだか新鮮で不思議な気持ちになった。

「家ここだよね?」

ナビが示したのは一軒の屋根が赤茶の屋根をした平家だった。
懐かしい気持ちと同時に恐怖が襲ってしまった。

「ここだよ」

見覚えのある外装

「お話し聞きに行こうか」
「そうだね」

私たちは車を降り、平家に向かった。


ーーーーピンポーンーーーーー

閑静な住宅にドアベルの音が鳴り響く。

「はーい」

そこにいのは、母似の年配の女性だった。
”倉本祥子”
彼女は私を上から下まで見て言い放った。

「里奈ちゃん?久しぶりね、すっかり大人の女性になってびっくりしたわ。あなたが真実を求め、ここに来ることを知ってたよ。お話し聞きたいでしょ?」

彼女は私たちに上がるように言い、リビングに案内してくれた。
懐かしい匂いが閉ざされた記憶を呼び覚ます。
志帆が倉本祥子に自己紹介をし、本題に入った。

「あなたは誰で、本当の両親に何が合ったのか教えてください」

彼女は黙ったまま口を開かない。
少し沈黙が続き、彼女がため息をつきた。

「そうね、私はあなたの祖母よ。疎遠になってしまったけれど。」

続いて彼女は言った。







「あなたの本当の両親は10年前に亡くなって、殺されたのよ。この家で」










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