真実を知ったら最後⑵

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小説
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Chapter2
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内定の通知をもらってから志帆と遊ぶ機会が増えた。
昔から知ってるような感覚。もしかすると子供の頃どこかで会ってたのかもしれない。
両親と旅行に行くことが多いから、きっと遊んだことがあるんだ。と自分に言い聞かせた。


ある日、夫婦だけで旅行がしたいという両親の願いを受け、一人で留守番をしていた。
部屋の中で携帯を弄っていたら志帆から連絡が来た。
一緒に行くライブのチケットを郵送してもう届いてるよ、という内容だった。
急いでポストまで行った。
普段は母が郵便物のチェックをしてるから郵便物を見る機会がなかった。
新鮮な気持ちでポストを開けた。
ポストの中には2枚の封筒があった。
そこに志帆が送ってくれたライブのチケットが入った封筒と手紙だった。
手紙を取ると宛先人に母の名前、差出人は聞き馴染みのない名前だった。住所は母の地元からだった。
好奇心には勝てず、母には悪いと思いながら恐る恐る手紙を読んだ。

なんだろう、ワクワクする



拝啓
 ご無沙汰しております。お元気でしたか?最近こちらはだんだんと暑くなっており、夏に近いて参りました。
 ところで、いつ地元に帰ってこれますか?紗子に会えず、毎日寂しい思いをしています。また娘を失うのは怖いです。
 私が死ぬまでに顔出してくださいね。


文脈からしてこれは祖母からの手紙だろうか。また娘を失うのは怖いってどういう意味なんだろ。
あ、2枚目もある。


里奈ちゃん元気にしていますか?
すっかり大人になって恭子の面影が出てるのではないかと思います。
 昔から母親に似て可愛い子ですから。

 ところで、里奈ちゃんに本当のことを伝えましたか?
そろそろ里奈ちゃんに真実を話したほうがいいですよ。遅かれ早かれ里奈ちゃんの耳に伝わると思います。彼女はもう大人ですので理解できると思います。

ではお元気で。お返事お待ちしております。
                              倉本祥子



え、真実って何?恭子って誰?
倉本、、、クラモト、、、、、












「何してるの?」


冷や汗がツーっと伝わっていく。
後ろを振り向くと、母が無表情で立っていた。

「何してるの?」
「別に!てか、旅行は?」
「知人から手紙が来ると聞いて飛んで帰ってきた。手紙、読んだでしょ?」

母の言葉は冷たく恐ろしかった。



「うん、真実って何?」








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