「このくらいの取引だから、契約書はまあいいか…」
「ネットのテンプレートを少し書き換えれば大丈夫だろう」
ビジネスを運営する上で、このように考えて契約書を軽視していないでしょうか?実はその油断が、将来大きなトラブルに発展し、多大な時間と費用、そして信頼を失う原因になりかねません。
今回は、ビジネスの「守り」の要である契約書作成について、「街の法律家」である行政書士に依頼するメリットや費用、具体的な業務内容を分かりやすく解説します。
なぜ、そもそも契約書は必要なのか?
口約束でも契約は成立しますが、後になって「言った」「言わない」の水掛け論になるケースは後を絶ちません。契約書は、当事者間の合意内容を明確に書面で残すことで、以下のような役割を果たします。
認識のズレを防ぐ: 業務内容、納期、金額、責任の範囲などを明確にし、お互いの思い違いを防ぎます。
トラブルの予防: 問題が発生しそうな点をあらかじめ想定し、解決策を定めておくことで、紛争を未然に防ぎます。
万が一の際の証拠: 裁判などに発展した場合、契約書は自社の正当性を主張するための強力な証拠となります。
実際に、契約書がなかったために代金の支払いが受けられなかったり、不利な条件を飲まざるを得なくなったりするケースは数多く存在します。ビジネスを安定して成長させるためには、適切な契約書を交わすことが不可欠なのです。
行政書士は「契約書作成の専門家」
「契約書が大事なのは分かったけど、誰に頼めばいいの?」
そんな時に頼りになるのが行政書士です。行政書士は、官公署に提出する許認可書類の作成だけでなく、「権利義務に関する書類」の作成も専門としています。契約書はまさにこの「権利義務に関する書類」の代表格です。
行政書士が作成できる契約書の例
行政書士は、様々なビジネスシーンで必要となる契約書を作成できます。
業務委託契約書: 特定の業務を外部の個人や法人に委託する際に使用します。
売買契約書: 商品やサービスの売買に関する条件を定めます。
賃貸借契約書: 土地、建物、機械などの賃貸に関する契約です。
秘密保持契約書(NDA): 取引にあたって開示する秘密情報の取り扱いを定めます。
金銭消費貸借契約書: いわゆる「借用書」です。
請負契約書: 仕事の完成を目的とする契約で、建設工事やシステム開発などで使用されます。
その他: 示談書、合意書、利用規約、プライバシーポリシーなど
行政書士に契約書作成を依頼する4つのメリット
自社で作成したり、弁護士に依頼したりする場合と比較して、行政書士に依頼するメリットはどこにあるのでしょうか。
1. 法的に有効で、実態に合った契約書を作成できる
インターネット上には多くのテンプレートがありますが、それらはあくまで一般的な内容です。実際の取引内容に合っていなかったり、自社に不利な条項が含まれていたりする可能性も否めません。行政書士に依頼すれば、一つひとつの取引内容を丁寧にヒアリングし、法的な要件を満たした、あなたのビジネスに最適な「オーダーメイド」の契約書を作成してくれます。
2. トラブルを未然に防ぐ「予防法務」
行政書士は、どのような点が将来トラブルになりやすいかを熟知しています。過去の事例などを踏まえ、潜在的なリスクを洗い出し、それを回避するための条項を盛り込むことで、紛争の発生を未然に防ぎます。これはビジネスを守る上で非常に重要です。
3. 弁護士より費用を抑えられる傾向
一般的に、契約書作成の費用は弁護士に依頼するよりも行政書士に依頼する方が安価な傾向にあります。もちろん内容の複雑さにもよりますが、「トラブルを予防する」という目的においては、非常にコストパフォーマンスが高い選択肢と言えるでしょう。
4. 時間と手間を大幅に削減できる
法的な知識がない状態で、正確な契約書を一から作成するのは大変な時間と労力がかかります。専門家である行政書士に任せることで、あなたは本来のビジネスに集中することができます。
契約書作成の依頼から納品までの流れ
一般的な依頼の流れは以下のようになります。
相談・ヒアリング: どのような取引で、どのような内容の契約を結びたいのかを詳しく伝えます。
見積もり: ヒアリング内容に基づき、行政書士が費用を提示します。
契約書の作成・修正: 行政書士が契約書の原案を作成します。内容を確認し、必要に応じて修正を依頼します。
納品: 内容に双方が合意したら、完成した契約書が納品されます。
気になる費用は?
契約書作成の費用は、その内容の複雑さや作成にかかる時間によって変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
一般的な契約書(秘密保持契約書、簡易な業務委託契約書など): 10,000円∼50,000円
やや複雑な契約書(詳細な業務委託契約書、売買契約書など): 15,000円∼100,000円
専門的・複雑な契約書(フランチャイズ契約書、ライセンス契約書など): 100,000円∼
個別の案件については、必ず事前に見積もりを確認しましょう。
【重要】行政書士と弁護士の違いとは?
ここで注意しておきたいのが、弁護士との業務範囲の違いです。
行政書士 弁護士
主な役割 予防法務(トラブルを未然に防ぐ) 臨床法務(発生したトラブルを解決する)
契約書作成 可能(当事者間に争いがない場合) 可能
相手方との交渉 不可(弁護士法違反) 可能
法律相談 不可(一般的な説明にとどまる) 可能
裁判 不可 可能(代理人として活動)